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今こそ民族浄化へのアンチテーゼ映画のリバイバル上映を!・・・映画「ソルジャー・ブルー」「小さな巨人」

2025年02月10日 06時24分08秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
「奴隷解放の父」リンカーンが、ネイティブアメリカンに対しては容赦のない民族浄化をしていたことを知ってショックを受けたのは、子供のころにテレビの洋画劇場で観た二本の西部劇だった。
スピルバーグ監督作品映画「リンカーン」では人種差別に反対する博愛主義者のように描かれているリンカーンだが・・・。
 
騎兵隊が無抵抗の先住民集落を襲い、なぶり殺しにした「サンドクリークの虐殺」を題材にした「ソルジャー・ブルー」と、同じく「ウオシタ川の戦い」を題材にした「小さな巨人」で、どちらも1970年に製作された、ベトナム戦争の「ソンミ村事件」へのアンチテーゼ映画である。
 
ついでながらの補足
ベトナム戦争の厭戦気運からヒッピームーブメントがおこり、70年代初頭のハリウッドで「アメリカン・ニュー・シネマ」なるダーティーヒーローやアンチヒーローを主人公にした反権力的な映画がつくられるようになる。その代表作が「ソルジャー・ブルー」「小さな巨人」「MASH」「俺たちに明日はない」「卒業」「イージーライダー」など。
キャンディス・バーゲン主演「ソルジャー・ブルー」のソルジャー・ブルーとは騎兵隊の青い軍服と残酷な行為を重ね合わせたタイトル。中一くらいで観たが、凄惨みわまる虐殺場面は今ならR指定もの。
「ソルジャー・ブルー」より。騎兵隊が寄ってたかって立派な戦士の腕や足を切り取る凄惨な場面や、レイプする場面も描かれている。
ダスティン・ホフマン主演の「小さな巨人」は、老人が波乱万丈な人生を新聞記者のインタビューに答える流れで、第七騎兵隊の虐殺と全滅した経緯を語るコメデイタッチの映画。やりたい放題の野蛮な第七騎兵隊が全滅する結末と、シリアスな展開にもユーモアがあるのでお子様にも安心して見せられマス。
 
60年代までの西部劇は、騎兵隊は野蛮なインデアンから護る正義の味方として描かれることが多かったが、ベトナム戦争以降の70年代からは、「先住民撲滅作戦」の先兵として、卑怯なだまし討ちを厭わない蒙昧な白人至上主義者として描かれるようになった。
 
頭の皮を剥いで見世物にしたのも、切り取った性器で土産物をつくっていたのも騎兵隊だ。ネイティブアメリカンが同じ報復をすると、野蛮人の蛮行を許すなと新聞が書きたて、民族浄化のプロパガンダに利用された。
 
アメリカがガザからパレスチナ人を追い出し所有すると表明したことと、イスラエルの無差別大量殺人に対してパレスチナ人がテロで報復すると、「テロリストの脅威を排除」のプロパガンダに利用されることと重なるのはわたしだけだろうか?
 
歴史は繰り返すというが、人種差別やジェンダー差別にも敏感だった70年代初頭と今のアメリカでは、どちらが民主的な先進国だろう?
 
少なくともパレスチナ人を無視して、アメリカがガザを所有するという表明は、国際法違反以前に人道主義の観点からは暴論だ。まるで19世紀の民族優位思想に基づく帝国主義ではないか。
 
この二本の映画を世界中でリバイバル上映して、アンチテーゼの気運を広げてほしいものだ。
 
 
 


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