今回はご紹介する鉱泉は、温泉探険をメインテーマとする数々のブログに度々登場している、マニアにはよく知られた箇所です。
場所は前回記事で取り上げた増富温泉の近く。塩川を堰き止めてできたダム湖は、その名をみずかき湖と称します。前回記事で私が登った瑞牆山の名前を冠しているわけですが、瑞牆という漢字は殆どの人が読めませんので、親しんでもらえるよう名峰の名前をひらがな表記にしたのでしょうね。
さて、湖畔に沿って伸びる道を車で走ってゆくと、上画像のような東屋が建つ駐車スペースがありますので、そこで車を停めます。
周囲はこんな山に囲まれています。ちょうど湖の最奥部にあたるため、景色に占める湖水の割合は少なく、目に入ってくるものはひたすら山ばかりです。ちょうど紅葉の時期に訪れたため、山は紅や黄色に染まっていました。
駐車スペースの前には湖の水際まで下りられる階段があるので、そこを下ってゆくと・・・
下りきった先の広場に、上画像のような看板、そして鉱泉が注がれている水槽が一つ置かれていました。先ほどの階段を含め、あまり人が訪れそうに無い場所にもかかわらず、ダムの管理下にあるためか、よく整備されているのが印象的です。
正面に立ってみました。
マニアックな温泉ファンの方々もブログなどで取り上げていらっしゃる「ヨシヤーの湯」に到着です。
解説板によれば、元々この谷合に水田があり、以前から鉱泉が湧出していたんだとか。その鉱泉は1km下流の塩川集落に引かれて、湯治にも使われていたそうですが、ダム建設に伴い塩川集落が湖底に沈んでしまうため、この鉱泉を残して集落を偲ぼうというコンセプトで、現在の「ヨシヤーの湯」の水槽が設けられたようです。ヨシヤーというユニークな名前は、葦(ヨシ・アシ)が茂っていた場所で湧出していたことに由来しているんだそうです。
時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」で当地の地図を調べてみました。
(同じ地図はこちらからもご覧いただけます)
上画像で、左側はダム湖ができる以前の昭和50年、右側は現在の地図です。同じ場所を示した地図を違う年で比較しています。これによれば、昭和50年に谷頭の水田があった箇所と、現在「ヨシヤーの湯」の水槽が設置されている場所は、ほぼ同じであることが分かります。
人が入るには小さい水槽は、浴槽と呼べるほどの容量は無く、鮮魚店の生け簀みたいです。先人のブログを拝見すると、果敢というか無謀というか、この水槽に入った強者もいらっしゃるようですが、私は遠慮させていただきました。というのも・・・
小さくて体が入りそうにないのはもちろんのこと、かなり冷たいのです。パイプから注がれている無色透明の鉱泉は、私の体感で20℃未満。サウナの水風呂として入るのならともかく、私が訪れたのは紅葉も終わりかけていた晩秋の日暮れ時。こんな温度の冷鉱泉に入ったら確実に風邪を引いてしまうでしょう。塩川集落があった頃でも沸かして入浴していたそうですから、このまま入るのは余程の好事家でしょう。かく言う私も頭のネジが何本か外れているクレイジーですので、本音を言えば入りたかったのですが、ここでは手を浸すだけにして、鉱泉をテイスティングしてみることにしました。m
説明看板によれば「塩味が強」いと書かれているのですが、同じ文章にデータも記載されており、1リットルに含まれるナトリウム及びその化合物が845mgで、塩化物イオンが1390mgとのことですから、たしかに食塩泉としての要素を有しているものと推測されますし、山の中で湧出する鉱泉にしては塩分が多いには違いありませんが、塩辛かったり、しょっぱいと表現するほどではありませんから、以前から私が感じたように薄塩味程度だったものと思われます。その一方で、この鉱泉は炭酸味がとても強く、口に含むとシュワシュワ感が口の中に広がり、独特の味が舌にしっかりと残りました。
付近の増富温泉も炭酸カルシウムを多く含む鉱泉ですから、同じような系統の鉱泉として炭酸が多いのもうなづけます。とはいえ、金気はありません。端的に言えば薄塩味&炭酸といった特徴の冷鉱泉です。もしご興味があり、且つ衆人の目線など気にしないという御仁でしたら、真夏なら入浴できるかもしれませんね。
山梨県北杜市須玉町小尾
いつでも入場可
無料
私の好み:評価対象外
場所は前回記事で取り上げた増富温泉の近く。塩川を堰き止めてできたダム湖は、その名をみずかき湖と称します。前回記事で私が登った瑞牆山の名前を冠しているわけですが、瑞牆という漢字は殆どの人が読めませんので、親しんでもらえるよう名峰の名前をひらがな表記にしたのでしょうね。
さて、湖畔に沿って伸びる道を車で走ってゆくと、上画像のような東屋が建つ駐車スペースがありますので、そこで車を停めます。
周囲はこんな山に囲まれています。ちょうど湖の最奥部にあたるため、景色に占める湖水の割合は少なく、目に入ってくるものはひたすら山ばかりです。ちょうど紅葉の時期に訪れたため、山は紅や黄色に染まっていました。
駐車スペースの前には湖の水際まで下りられる階段があるので、そこを下ってゆくと・・・
下りきった先の広場に、上画像のような看板、そして鉱泉が注がれている水槽が一つ置かれていました。先ほどの階段を含め、あまり人が訪れそうに無い場所にもかかわらず、ダムの管理下にあるためか、よく整備されているのが印象的です。
正面に立ってみました。
マニアックな温泉ファンの方々もブログなどで取り上げていらっしゃる「ヨシヤーの湯」に到着です。
解説板によれば、元々この谷合に水田があり、以前から鉱泉が湧出していたんだとか。その鉱泉は1km下流の塩川集落に引かれて、湯治にも使われていたそうですが、ダム建設に伴い塩川集落が湖底に沈んでしまうため、この鉱泉を残して集落を偲ぼうというコンセプトで、現在の「ヨシヤーの湯」の水槽が設けられたようです。ヨシヤーというユニークな名前は、葦(ヨシ・アシ)が茂っていた場所で湧出していたことに由来しているんだそうです。
時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」で当地の地図を調べてみました。
(同じ地図はこちらからもご覧いただけます)
上画像で、左側はダム湖ができる以前の昭和50年、右側は現在の地図です。同じ場所を示した地図を違う年で比較しています。これによれば、昭和50年に谷頭の水田があった箇所と、現在「ヨシヤーの湯」の水槽が設置されている場所は、ほぼ同じであることが分かります。
人が入るには小さい水槽は、浴槽と呼べるほどの容量は無く、鮮魚店の生け簀みたいです。先人のブログを拝見すると、果敢というか無謀というか、この水槽に入った強者もいらっしゃるようですが、私は遠慮させていただきました。というのも・・・
小さくて体が入りそうにないのはもちろんのこと、かなり冷たいのです。パイプから注がれている無色透明の鉱泉は、私の体感で20℃未満。サウナの水風呂として入るのならともかく、私が訪れたのは紅葉も終わりかけていた晩秋の日暮れ時。こんな温度の冷鉱泉に入ったら確実に風邪を引いてしまうでしょう。塩川集落があった頃でも沸かして入浴していたそうですから、このまま入るのは余程の好事家でしょう。かく言う私も頭のネジが何本か外れているクレイジーですので、本音を言えば入りたかったのですが、ここでは手を浸すだけにして、鉱泉をテイスティングしてみることにしました。m
説明看板によれば「塩味が強」いと書かれているのですが、同じ文章にデータも記載されており、1リットルに含まれるナトリウム及びその化合物が845mgで、塩化物イオンが1390mgとのことですから、たしかに食塩泉としての要素を有しているものと推測されますし、山の中で湧出する鉱泉にしては塩分が多いには違いありませんが、塩辛かったり、しょっぱいと表現するほどではありませんから、以前から私が感じたように薄塩味程度だったものと思われます。その一方で、この鉱泉は炭酸味がとても強く、口に含むとシュワシュワ感が口の中に広がり、独特の味が舌にしっかりと残りました。
付近の増富温泉も炭酸カルシウムを多く含む鉱泉ですから、同じような系統の鉱泉として炭酸が多いのもうなづけます。とはいえ、金気はありません。端的に言えば薄塩味&炭酸といった特徴の冷鉱泉です。もしご興味があり、且つ衆人の目線など気にしないという御仁でしたら、真夏なら入浴できるかもしれませんね。
山梨県北杜市須玉町小尾
いつでも入場可
無料
私の好み:評価対象外