温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

草津温泉 旅館するが屋(日帰り入浴)

2021年02月07日 | 群馬県

(2020年1月訪問)
今回記事も引き続き群馬県の温泉を取り上げます。今回は天下の名湯、草津温泉です。湯畑から西の河原通りを歩くと、途中で往来の観光客に対し強制的に温泉まんじゅうを配る鬱陶しいお店の前を通過しますが、その手前にある小さなお宿「旅館するがや」で日帰り入浴を楽しんでまいりました。


玄関の前には日帰り入浴の案内が掲出されています。玄関の左側はお宿が運営する土産屋さんが店を開いているのですが、日帰り入浴する場合は、まずその土産店で料金を支払ってから、宿の玄関より館内へ入ることになります。


玄関から中に上がった廊下には、浴室のドアが3つ並んでいます。いずれも貸切で使えるお風呂であり、宿泊客はもちろん、日帰り入浴の場合もこの3室の中から空いているお部屋を利用します。3室のうち「だいこくの湯」と「えびすの湯」は草津でもおなじみの湯畑源泉を引いているのですが、最も右側の「わたの湯」だけは、その名の通りわたの湯源泉を引いています。入れる施設が少ないことで知られるこのわたの湯源泉は私の大のお気に入りであり、このお湯を引く「ペンションはぎわら」を2回も取り上げているほどですから、今回私は迷うことなく「わたの湯」を利用させていただくことにしました。

私が入室すると、宿の人がドアの表側に入浴中の札をさげてくださいます。複数名で利用することを前提に設計されているのか、脱衣室内は比較的ゆとりがあり、洗面台が備わっているほか、ドライヤーも用意されています。


浴室の戸を開けた途端、草津ならではのすっぱい匂いが鼻孔をツンと刺激してきました。期待に胸が膨らみます。室内には浴槽がひとつ、その左側にシャワー付きカランがひとつ設けられています。


そして浴槽の奥のちょっと高くなったところに、頭上から垂直に落ちる大きなシャワーが設置されています。いかにも増設した感があるこの大きなシャワーはマッサージシャワーらしく、スパイラル状にお湯が出るんだそうですが、私は使っていないので具体的なことはわかりません。


浴槽は2人サイズなので、一人だとかなりゆったり入れます。湯口から湯船に投入されたわたの湯源泉は、私が湯船に入るとザバーっと豪快な音をたてながら勢い良くよく溢れ出ていきました。


ほんのり白濁するわたの湯源泉は、その名前からもわかるように、強い酸性ながらもコットンのような柔らかさと軽やかさを有し、優しく全身を包んでくれます。一度このわたの湯の良さを知ってしまうと、粗削りで乱暴な万代鉱源泉はちょっと敬遠したくなるかも。実によい湯です。あまりに入り心地が良いので、私は湯船に浸かりながら夢の世界へ行ってしまいそうになりました。

日帰り入浴の料金設定がちょっと高く、貸切料金1000円に、利用する人数×1000円を加算した料金が必要となるため、正直なところ利用に躊躇してしまいますが、貴重なわたの湯源泉を貸切利用できるのですから、その点に価値を見いだせれば、十分に利用価値があるのではないでしょうか。


わたの湯源泉
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 50.2℃ pH2.1 溶存物質1.69g/kg 成分総計1.86g/kg
H+:8.91mg(36.45mval%), Na+:56.3mg(10.10mval%), Mg++:34.4mg, Ca++:76.7mg(15.77mval%), Al+++:44.5mg(20.40mval%),
F-:9.6mg, Cl-:299mg(33.78mval%), SO4--:669mg(55.78mval%), HSO4-:201mg(8.28mval%),
H2SiO3:225mg, H2S:7.7mg, H2SO4:4.5mg, CO2:167mg, H2S:10.5mg,
(平成26年11月5日)

群馬県吾妻郡草津町草津507-1
0279-88-2217
ホームページ

日帰り入浴11:00〜14:00(不定休)
貸切料金1000+入浴料金1000(1人当たり)
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

コメント (2)
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尻焼温泉 バーデ六合

2021年02月01日 | 群馬県

(2020年1月訪問)
前回記事に引き続き群馬県の尻焼温泉を訪ねます。といっても、今回取り上げる温泉施設は、川の露天風呂を目指すような観光客が訪れることは少ないであろう、里から離れた山の中にある病院施設付帯の福祉施設です。おそらく路線バス等の公共交通機関は無いので、当地へアクセスする場合は車以外に無いでしょう。ゲートから構内に入り・・・


奥の病院エントランスへ。


なお以前は温泉利用専用の玄関もあったみたいですが、現在は閉鎖されていました。


話を戻して、病院のエントランスから館内へ。


館内は病院そのもので極めて無機質。しかも人の気配がほとんどありません。ちょっぴり不安になりながら、廊下の奥にあるカウンターで入浴利用を申し出ると、スタッフの方はすんなりと受け付けてくださいました。料金はこのカウンターで支払います。


この病院は健康増進施設を兼ねており、受付カウンターの近くの窓からは温水プールの様子を見ることができました。もちろんプール利用の場合は水着が必須です。


更衣室もびっくるするほど無機的。あたかも作業場の更衣室のようであり、温泉情緒なんて微塵もありません。これから作業着に着替えるのではなく、裸になって入浴するんだけどなぁ…。ちなみにこの更衣室はお風呂・プール共通であり、それぞれへ行くことができます。


大きな建物に入り、広いプールを見ているので、お風呂もさそがし大きいんだろうなと期待しつつ、脱衣室から浴室のドアを開けると、拍子抜けするほどコンパクトなのでビックリ。いや、中小規模の旅館だったらよく見られる大きさの浴場かもしれませんが、目の前にプールがあることから考えると、スポーツジムのお風呂と捉えても不思議ではないような感じがします。でも室内は綺麗に維持されており、大きな窓からの採光も良好なので、入浴環境自体は決して悪くありません。


洗い場にはシャワー付きカランが3基並んでいます。おそらくシャワーから出てくるお湯は温泉かと思われます(間違っていたらごめんなさい)。


浴槽はタイル張りで1m×3mという細長い造り。上述の大きな窓に面して据えられています。


塩ビの湯口は湯面の中へもぐりこんでおり、温泉は静かに槽内投入されています。なお湯口そばのハンドルを回すとお湯の投入量を調整することができるらしいのですが、そのことを知らなかった私はハンドルについて確認することなく帰ってしまいました(残念)。

さて、この記事では冒頭からここまでネガティブな表現が多く、当施設の関係者並びに施設のファンの方はさぞご気分を害されたであろうと大変申し訳なく思っているのですが、ここからは急転してポジティブ評価だらけになりますので、どうかご勘弁&ご安心を。
と申しますのも、湯船に浸かった瞬間、私はこのお湯の虜になってしまったからなのです。お湯は尻焼温泉からの引き湯。無色透明なので、一見するとこれといった特徴が無いように思われるのですが、肩まで湯船に浸かると石膏や芒硝の香りがほのかに伝わってきます。また湯口のお湯をテイスティングしますと、石膏の味を確認することもできました。なおタマゴ感はありません。湯中では硫酸塩泉らしいキシキシと引っかかる浴感、そして肌の皴に沁み込んでくるかのようなトロミを伴うシットリ感が得られ、じっくり湯あみできる絶妙な湯加減が保たれています。それでいて嫌味な火照りが無く、優しく体に馴染んでくれます。湯使いは言わずもがなかけ流し。引き湯とはいえ、素晴らしい浴感にすっかり心を奪われ、他のお客さんが来ないことを幸いに、しばらく時間を忘れて長湯してしまいました。実に素晴らしいお湯です。病院でお医者さんの面倒にならずとも、十分に体が癒されました。お湯を重視する方におすすめです。


根広共有泉 
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 49.7℃ pH7.65 蒸発残留物1.50g/kg 成分総計1.49g/kg
Na+:181mg, Ca+:270mg,
Cl-:222mg, SO4--:707mg, HCO3-:21.4mg,
H2SiO3:59.1mg, HBO2:12.6mg,
(平成30年10月15日)
加水加温循環消毒なし

群馬県吾妻郡中之条町大字入山1478-5  
0279-95-5711
ホームページ

5~9月→平日15:00~20:00、土日祝13:00~20:00
10月~4月→平日15:00~19:00、土日祝13:00~1900
月曜定休(5~11月の月曜日は祝祭日であれば営業)
400円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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尻焼温泉 ホテル光山荘

2021年01月26日 | 群馬県

(2020年1月訪問)
群馬県の尻焼温泉といえば、川そのものが天然の露天風呂になっていることで有名ですが、川の露天風呂以外にも良いお風呂がいくつもあります。


今回は川に架かる橋のたもとに位置する「ホテル光山荘」を訪ね、日帰り入浴しました。


ちなみに、川を堰き止めた露天風呂から100メートルほど下った当宿付近の河原からも湯気が上がっています。温泉資源が豊富なんですね。


帳場で日帰り入浴をお願いすると、笑顔で快く受け入れてくださいました。湯あみする前から心がホッコリします。お風呂は途中で階段を登り降りしながら廊下を進んでいった先にあり、最後の階段を下りて右側が女湯と食堂、左が家族湯と男湯というように分かれていました。脱衣室はシンプルな構造ながら綺麗に維持されていました。


浴室からは少々の年季が感じられますが、川に面して横長に広がる窓から陽光が射し込むので、室内はとても明るく、また綺麗にしっかりとメンテナンスされているので、快適に利用することができました。冬なのに湯気籠りが少ないのも嬉しいところです。


洗い場に設けられている水栓はシャワー付きのものが計4か所。なお床には緑色凝灰岩が敷き詰められており、足裏から伝わる感触も良好です。


浴槽は目測で2.5m×6mはあるでしょうか。なかなか大きな湯船ですね。思いっきり足を延ばしてゆっくり寛げそうです。


浴槽の手前側には太い木材が使われ、見た目にはもちろん感触面でも優しいぬくもりが伝わってきます。そしてこの木の縁の上を、惜しげもなく大量のお湯がオーバーフローしていきます。言わずもがなのかけ流しですね。


析出が付着している木の湯口から滔々と温泉が落とされていました。こちらのお湯は自家源泉で、綺麗に澄んだ無色透明。仄かながらしっかりとしたタマゴ味が感じられます(なおタマゴ臭はごく僅かでした)。またはっきりとした石膏味も確認できました。湯中では硫酸塩泉らしいキシキシと引っ掛かる浴感が得られるとともに、トロミ、そして肌の皴に入り込んでいくかのようなシットリ感も伝わってきました。ちょっと熱いかもしれませんが、そのピリッとする熱さと、お湯そのものが持つ気持ち良い浴感が相まって、心身がシャキッとし、いつまでも浸かり続けていたくなるような大変良いお湯でした。


お風呂上り、たまたま隣の家族風呂が空いていたので、ちょっと拝見させていただきました。
一般的な家族風呂よりはるかに大きく立派な造りですね。これなら家族みんながノビノビ楽しく湯あみできるでしょう。


光山荘源泉
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 54.6℃ pH7.8 100L/min(自然湧出) 溶存物質1.42g/kg 成分総計1.43g/kg
Na+:180mg(37.76mval%), Ca++:253mg(60.89mval%),
Cl-:212mg(29.33mval%), SO4--:671mg(68.47mval%), HCO3-:23.5mg,
H2SiO3:58.8mg, HBO2:13.3mg,
(平成22年6月8日)

群馬県吾妻郡中之条町大字入山696-67
0279-95-5126
ホームページ

日帰り入浴時間不明
500円
ボディーソープ類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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六合赤岩温泉 長英の隠れ湯

2021年01月18日 | 群馬県

群馬県六合村の南部に位置する赤岩集落は、明治期から時計の針が止まったかのような養蚕農家の家々が残る国の重要伝統的建造物群保存地区ですが、そんな歴史的景観の中に温泉浴場がひっそりとたたずんでいます。その名も「長英の隠れ湯」。国道から赤岩集落へ入る路地の角には、以前から温泉施設を案内する看板が立っているのですが、最近になって温泉や湯といった語句が隠されてしまったようです。どうしてなのかな…


さて、今回の目的地に到着です。小さな集落なのですぐに温泉を見つけられるだろうと高を括っていたのですが、車をゆっくり走らせてもなかなかこの湯小屋に辿り着けず、かなり難儀しました。というのも、集落内には温泉を指し示す案内看板が無いのです(2020年1月時点)。
「長英の隠し湯」は以前別の場所にあったのですが、閉鎖されて現在の場所に移転の上、新しく建て直されました。以前は国道沿いの看板でも温泉施設をアピールしていましたが、移転後の現在は湯小屋が小さくなり、案内も控えめになってしまったようです。本当に隠し湯なんですね。


以前は観光客もどうぞ、といった佇まいでしたが、現在の湯小屋は集落住民のためのお風呂といった様相です。ちょうど浴場の前の山で集落の方々が木を伐採していたため、お風呂に入って良いか伺ったところ、どうぞどうぞと歓迎してくださいました。無人の共同浴場なので、湯銭は下足場に置かれている料金箱へ各自投入しましょう。


小さい無人浴場ですが、まだ建てられたばかりなので脱衣室はとても綺麗。トイレや洗面台も完備。室内には湯沸し器の操作パネルがあるのですが、これについては後ほど。


真新しい浴室は至って実用的。男湯の場合、入って左の山側に洗い場が配置され、反対の谷側(集落側)に湯船が設けられています。その湯船は3人サイズ。浴槽内はタイル貼りで、縁には石材が用いられています。私の訪問時、湯船には木の蓋が被せられていました。


浴場の前で集落の方に挨拶した際、お風呂の蓋を外してから入ってほしい、湯船がぬるかったらお湯を足してほしい、とのアドバイスをいただきました。まずは木の蓋を半分外して、一人分の入浴スペースを確保。


洗い場にはシャワー付きカランが2つ並んでいます。シャワーのお湯は温泉ではなく、給湯器のお湯です。なお石鹸類は備え付けられていません。新しいのでまだまだ綺麗ですね。


湯口からは絶え間なくお湯が注がれているのですが、あまり熱くなく、むしろ若干ぬるいかもしれません。それゆえ湯船もぬるめ。源泉湧出温度は42℃であり、分析表にも「施設の温泉温度40.5℃」と記されていましたが、私の訪問時は更に下がっていました。そこで、地元の方々のアドバイスに従い、蛇口を開けてお湯を投入させてもらいました。このお湯は温泉ではなく、給湯器の沸かし湯かと思われます。
お湯は無色透明無味無臭ながら、アルカリ性単純泉らしい独特の微収斂が感じられました。湯中ではアルカリ性泉らしいツルツルスベスベの滑らかな浴感がしっかり得られ、湯上がりがさっぱり爽快。とてもやさしいお湯です。ぬるめですが、肩までしっかり浸かって長湯すると、ちゃんと温まります。なお以前の施設でお湯は循環されていましたが、移転後の新施設ではかけ流しになりました。


お風呂上がりに赤岩集落を散策することに。
上画像の火の見櫓が、隠し湯へ向かう時の目印です。


集落の外れでは大きな水車が回っていましたよ。


明治期から高度経済成長期以前まで日本各地(特に関東甲信越)に多くあったと思しき養蚕農家の建物が、この集落にはたくさん残っており、集落を歩いていると養蚕が盛んな時代にタイムスリップしたかのような感覚が楽しめます。一軒一軒が大変立派で、かつ2階や屋根の造りに特徴があります。群馬県といえば世界遺産「富岡製糸場」が有名ですが、その製糸場で紡がれる生糸を生産していたのがこうした集落なんですね。


説明が遅くなりましたが、温泉施設名「長英の隠し湯」の長英とは、言わずもがな高野長英のこと。でもなんでこんな辺鄙(失礼な表現でごめんなさい)な集落に高野長英が関係しているのかと言えば、蛮社の獄で捕らわれの身となった彼が、牢屋の火事に乗じて脱獄し、その逃亡の途中に赤岩集落で身を潜めていたんだとか。その逃亡の話を信じるか信じないかは、あなた次第。なお上画像は高野長英を匿ったと言われている湯本家です。
高野長英の逸話はさておき、この集落の景色は実に素晴らしいので、温泉とセットで散策するととても素敵な時間を過ごすことができるかと思います。おすすめ。


源泉名:長英のかくれ湯
アルカリ性単純温泉 42.6℃ pH8.9 76.9L/min(動力揚湯) 溶存物質0.63g/kg 成分総計0.63g/kg
Na+:143mg(88.27mval%),
Cl-:36.3mg(14.60mval%), SO4--:234mg(69.34mval%), CO3--:27.0mg(12.84mval%),
H2SiO3:156mg, HBO2:7.1mg,
(平成26年2月20日)
加水循環消毒なし
温度調整のため高温湯を入れる場合あり

群馬県吾妻郡中之条町大字赤岩286番地

10:00~18:30 木曜定休
100円
備品類なし

私の好み:★★+0.5
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まえばし駅前天然温泉 ゆ~ゆ

2019年11月29日 | 群馬県
県内各地で温泉が湧いている群馬県は、温泉県という名称を巡って大分県と競い合う東日本屈指の湯どころでもありますが、そんな土地柄だからか、県庁所在地の最寄駅前という至って交通至便な場所にも、良質な温泉浴場を擁しているのであります。



前橋駅から駅前の並木道を進んだ右手にあるのが、温泉ファンからの誉れが高い「まえばし駅前温泉 ゆ~ゆ」です。私は今まで何度か訪れていますが、ブログで紹介したことがなかったため、ネタ集めを兼ねて先日再訪致しました。



玄関廻りはまるでシティホテルかフィットネスジムのようなファサードです。駅前ですので電車でのアクセスが楽チンなのはもちろんですが、建物の裏手には駐車場も完備されていますので、車でのアクセスも良好です。



1階のカウンターで受付で下駄箱の鍵(100円リターン式)と引き換えに、館内精算用の番号札が手渡されます。この札を手にしながら2階へ。
2階には大きな食堂が営業しており、この日も多くのお客さんで賑わっていました。



食堂と同じ2階に浴場の入口があり、紅と紺の暖簾がさがっています。

なお、この先は撮影禁止につき、以下の画像は公式サイトからお借りしております。



天井が高い浴室には大きなガラスを採用されており、外光がふんだんに室内へ降り注ぐことにより明るく開放的な入浴環境が作り出されています。都市部の公衆浴場ですから洗い場スペースは広く確保されており、シャワー付きカランが壁沿いに11個、二つの島に12個、奥の壁沿いに4個、計27個設置されているのですが、私の訪問時は混雑していたため、その多くが埋まっていました。すごい人気なんですね。

大きな窓の下には、まるでプールを彷彿とさせるような大きさの主浴槽が据え付けられています。その主浴槽の手前側の角には、ぬるい源泉のお湯が注がれる掛け湯専用の槽があり、その近くに主浴槽用の湯口が設けられています。掛け湯はぬるめですが、湯口から出るお湯は熱いため、大きな主浴槽でも掛け湯側の湯加減は若干熱めである一方、その反対側の奥は若干ぬるめでした。
内湯のお湯はやや赤みを帯びた淡い黄色を呈しつつ、少々濁っています。温度調整等のために槽内循環されていますが、同時に新鮮源泉も投入されており、お湯の溢れ出しもしっかりと見られ、オーバーフローが流れる室内の床は、元々白い素材だったにもかかわらず、赤茶色に染まっていました。また掛け湯のお湯は主浴槽へと落ちるのですが、その流下する部分には石灰の析出がコテコテにこびりついていました。色や析出などにより、お湯の濃さがビジュアル的に伝わってきますね。

なお浴室の奥にはサウナ室があります。おぼろげな記憶なのですが、10年ほど前に訪れた時、サウナは無かったような気がしますので、おそらく後から増設したんだろうと推測されますが、いかにも後付けらしく何とかスペースを捻出して作ったような感があり、広い浴室に比べると若干物足りなさを覚えるかもしれません。



続いて露天へ。
周囲は市街地ですから周囲は高い塀に囲まれており、景色は望むべくもありません。しかし西洋のガーデン調に設えられたこの露天ゾーンは寛ぐに十分スペースが確保されており、実際にこのゾーン内に置かれた数台のデッキチェアーでは、お風呂で温まった体をクールダウンさせるべく、お客さんたちが寝そべってノンビリ過ごしていらっしゃいました。
露天の浴槽は内湯をひとまわり小さくさせたような感じですが、それでもなかなか大きなもの。内湯のお湯の色合いは赤みを帯びた黄色でしたが、露天ではそれよりも緑色に傾いているように見えます。外気の影響を受けるためか、内湯より若干ぬるめの湯加減でしたが、むしろそれが人を長湯へいざなうのか、たくさんのお客さんが瞑目したり、仲間同士でおしゃべりしたりと、思い思いのスタイルでのんびり湯浴みしていました。

内湯の掛け湯下にある湯口にてお湯を口に含んでみたところ、はっきりとした塩味に鉄錆味が感じられ、アブラ臭も嗅ぎ取れます。上述のように石灰の析出が見られるお湯なので、引っかかりのある浴感なのかと思いきや、食塩泉らしい滑らかなツルスベ浴感が得られ、且つ、食塩泉らしいパワフルな温浴効果が如何なく発揮されるため、お風呂上がりは大変気持ち良く、いつまでも湯冷めせずに体がホコホコし続けました。

ちなみにこちらの施設で使われている源泉は、施設の直下にあるんだとか。駅前の市街地なのに、こんな本格的且つ実力派の温泉に入れるのですから、前橋という街にはただただ驚くほかありません。温泉ファンのみならず地元の方々からも支持される良質な温泉です。


くりまの湯
ナトリウム-塩化物温泉 55.5℃ pH7.3 133L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質4.70g/kg 成分総計4.74g/kg
Na+:1544mg(90.31mval%), Mg++:20.3mg, Ca++:98.0mg,
Cl-:2221mg(85.43mval%), HCO3-:641mg(14.33mval%), Br-:10.3mg,
H2SiO3:59.6mg, HBO2:80.4mg, CO2:36.2mg,
加水あり(源泉温度が高いため)
循環あり(温度調整のため)
加温なし

JR両毛線・前橋駅より徒歩3分程度
群馬県前橋市表町2-10-31
027-224-0111
ホームページ

10:00~23:00(受付22:30終了) 年中無休
平日650円、土日祝等750円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

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