温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

下風呂温泉 ホテルニュー下風呂

2011年04月20日 | 青森県

小規模で家庭的な旅館が多い下風呂温泉の中でも、ホテルニュー下風呂は鉄筋コンクリート造の中規模旅館で、ちょっと異色な存在です。家庭的な旅館や民宿はちょっと苦手という方にはもってこいかと思います。室内は座敷で総ヒバ造なんだそうです。こちらでも温泉手形「遊めぐり」で入浴させていただきました。

玄関を入ると女将らしき人物が登場し「こちらでスリッパへ履き替えてください」と、入ってすぐのところで指示されました。玄関から奥まで何らの仕切り無く同じ絨毯が敷かれているので、まさか土足厳禁だとは思いもよらず。何か土足厳禁ゾーンの境界を設けてくれたら良いのですが…。

 
さて、お風呂へは階段を下りていきます。昔ながらの温泉旅館が多い下風呂では珍しく、こちらの階段や通路はちょっと洒落た雰囲気。脱衣所もこじんまりしていながら、明るく清潔です。畳敷きなので足元が快適でした。

 
浴室は男女別の内湯がひとつずつ。浴室に入って香る硫黄の匂いが嬉しいですね。これまた下風呂では珍しく、洗い場スペースがちゃんと確保されており、5ヶ所のシャワー付き混合栓がそれぞれが仕切られています。このカランは硫黄で真っ黒く硫化しています。


窓からは海が眺められます。湯船の女湯側には木の腰掛けが設けられており、少々狭いこのお風呂の中でちょこっと休憩するには便利です。湯口は窓側の角の湯面上に1ヶ所と、その湯面下(つまりお湯の中)に1ヶ所あって、上はぬるめ、湯面下は熱めのお湯が投入されています。

お湯はややグレー色を帯びつつも綺麗な乳白色に濁り、底にはそぼろ状で白い粘土っぽい湯の花がたくさん沈殿していました。酸味はあまり感じられず、タマゴ的な硫黄味と塩味が混ざった薄いタマゴスープのような味ですが、遅れて苦みや鉄のような味がやってきて、それらが口腔や咽喉にしつこく残るのが印象的。わかりやすい硫黄臭ですが、ちょっと燻したような感じです。ツルツルとキシキシが混在したような浴感です。もちろん湯使いは掛け流し。

こじんまりしていながらも綺麗かつ上品なつくりですので、とっても満足のいくお風呂でした。


海浜地1号泉
含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉 50.5℃ 溶存物質4.6369g/kg 成分総計4.8605g/kg

JR大湊線・下北駅から下北交通バス佐井・大間方面行で下風呂下車(約1時間10分)
青森県下北郡風間浦村下風呂67-2  地図
0175-36-2021 
ホームページ

温泉手形「遊めぐり」での入浴可能時間 7:00~21:00
現金での入浴は直接問い合わせされたし
シャンプー・ドライヤーあり、貴重品は帳場預かり

私の好み:★★★
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下風呂温泉 長谷旅館

2011年04月20日 | 青森県
※休業中です。


井上靖が投宿して『海峡』を執筆したことで有名な下風呂の老舗旅館です。下風呂に宿泊した人限定で販売される温泉手形「遊めぐり」で入浴させていただきました。


これが温泉手形「遊めぐり」。青森ヒバ製。3箇所巡れて800円。3枚のシールが貼ってあり、入浴する際には、訪問先でシールをはがしてもらいます。これは3連の玉ですが、この他にペン立てやイカ形のものもあります。ちなみに私は全種類持ってます(^^)

 
玄関を上がって廊下を進み、赤い手摺の階段を下りて、更に奥の階段をくだるとようやく浴室にたどり着きます。

 
お風呂は男女別の内湯がひとつずつ。これといった飾りっ気はなく、それほど大きくも無い、こじんまりとしたお風呂ですが、浴室の扉を開けた途端に、硫黄の刺激臭が鼻腔をくすぐってきます。硫黄の匂いと言っても実に様々ありますが、こちらの匂いは、耳鼻科でネブライザーを受けたときのような鼻の奥にツンとくるような刺激が特徴的でした。

 
湯口からは源泉から引いてきたままのお湯が投入されており、めちゃくちゃ熱いので、水で薄めながら入浴します。湯口の熱いお湯は青みと黄色みを帯びた白色に濁っていますが、水で薄めると黄色っぽさも希薄になり、お湯の温度差が色ではっきり分かれているのが観察できます。透明度は30~40cm程度でしょうか。大きな湯の華は無く、沈殿も無く、万遍なく白濁している感じです。オーバーフロー部や湯口は硫黄の付着で真っ黄色になっています。

口に含むとレモン汁+塩味+歯が少々キシキシするような酸味が感じられます。ツルツルスベスベの気持ちよい浴感で、臭覚味覚ともにはっきりとした酸性泉ですが肌への刺激は少なく優しく全身を包んでくれます。さすが老舗宿のお湯は上品ですね。
ちなみにカラン(蛇口)は2組。海に面した明るい浴室ですが、窓を開けると目の前が国道なので、少々騒がしいかもしれません。熱いお湯ですが慣れればへっちゃら、硫黄感の強さとお湯の優しさが相俟って、後をひきます。

なお下風呂温泉の源泉は大きく分けて、大湯系・新湯系・浜湯(海辺地)系の3つに分かれ、長谷旅館は大湯系含まれますが、その中でも大湯2号という他ではなかなかお目にかかれない源泉を引いている貴重な宿でもありますので、他の大湯系(1号)のお風呂に入った方は是非こちらにも足を運んで、同じ大湯系でもどのような違いがあるか、チェックしてみてください。 個人的には…
鼻腔の刺激:2号>1号
色:1号=白が強い濁り、2号=黄色っぽい濁り
濁り方:1号>2号
熱さ:2号>1号
沈殿の多さ:1号>2号
のような気がするのですが、いかがでしょうか。



明治36年に作成された下風呂温泉の案内書。館内に掲示(クリックで拡大)



井上靖の直筆? 館内に掲示(クリックで拡大)


大湯2号
含石膏-食塩硫化水素泉 60.5℃ pH3.0 固形物総量3867mg/kg 成分総計4271mg/kg
(昭和49年9月25日分析の数値)

JR大湊線・下北駅から下北交通バス佐井・大間方面行で下風呂下車(約1時間10分) バス停すぐ
青森県下北郡風間浦村下風呂字下風呂75  地図
0175-36-2221

温泉手形「遊めぐり」での入浴可能時間 7:00~21:00
現金での入浴は直接問い合わせされたし
備品類無し

私の好み:★★★


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