比内町から鹿角花輪方面へ抜ける県道22号線沿いに建つ大葛(おおくぞ)温泉の公営共同浴場です。大葛温泉では他に「比内ベニヤマ荘」でも日帰り入浴が可能らしいのですが、お湯は町民浴場の方が良いらしいので、昨年初秋、迷わず町民浴場へと向かいました。県道沿いには大きな看板が立っているので迷うことなく現地到着。木立ばかりの景色の中で緑の屋根と白い壁が目立っていました。
駐車場には15~6台は停まれるでしょうか。玄関に入ってビックリ。料金が100円ポッキリなのです。この界隈で100円の温泉といえばこんなところが思い浮かびますが、それよりははるかに結構立派な湯屋なのに、こんなに安くていいのかしら。券売機で料金を支払い、中へと入ります。
内部には休憩スペースあり、自動販売機もあり、100円で利用できる温泉とは思えない充実さ。地元民向きの浴場なので安い価格設定なのでしょうが、私のような外来者でもこの料金で利用できるのですから恐縮しちゃいます。
お風呂は男女別の内湯が各一室で、浴槽も1つずつ。洗い場には一応カランが設けられていますが、あまり実用的なものではなく、体を洗う際には横長の掛け湯専用槽からお湯を汲んで利用する仕組みになっています。このスタイルは各地の温泉地でたまに見かけますが、まさか地元の生活に密着したこのような共同浴場でお見かけするとは思いもよりませんでした。もちろんこの槽に注がれているお湯は源泉です。
浴槽の形状はほぼ正方形ながら角が欠けて段になっています。そこに張られているお湯は無色澄明。源泉掛け流しでしっかり浴槽からオーバーフロー。湯口に置かれているコップでお湯を飲んでみると、微たまご味+石膏味+芒硝味、石膏臭+芒硝臭、お湯に入ると微かにピリッとする刺激が走る、極めてわかりやすい典型的な硫酸塩泉です。弱いスベスベの中に引っかかりのある浴感で、トロトロとしたお湯の表面は青白く光り、浴槽の底のタイル目地が虹色に輝いて見えます。湯中では少しですが白い微細な湯の華が浮遊しており、お湯の中でじっとしているとやがて肌に細かい気泡が付着します。硫酸塩泉好きの方なら病み付きになってしまうとても心地の良いお湯で、その気持ちよさゆえに、一度入ると後を引いてなかなか出られなくなってしまいました。
シンプルでこじんまりとしながら、料金が安くちゃんとした施設で、お湯も良質であるためか、訪問時(夕方)は入れ替わりながら常時浴室内に5~6人が中にいるほどの人気ぶりでした。こんなお風呂なら毎日入りたいなぁ…。
大葛温泉2号井
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 42.2℃ pH不明
陽イオン Ca:459.8mg/kg Na:204.9mg/kg Ba:5.6mg/kg K:3.1mg/kg Sr:1.6mg/kg NH4:0.2mg/kg
陰イオン SO4:1399mg/kg Cl:116.9mg/kg HCO3:6.8mg/kg CO3:3.0mg/kg F:2.7mg/kg
陰イオン SO4:1399mg/kg Cl:116.9mg/kg HCO3:6.8mg/kg CO3:3.0mg/kg F:2.7mg/kg
秋田県大館市比内町大葛字牛ケ岱30-2 地図
0186-57-2206
6:00~21:00
100円
ドライヤーあり
私の好み:★★★