温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

屏風山温泉

2011年04月25日 | 青森県

つがる市の旧木造町役場周辺に点在する温泉浴場のひとつ。青森県でよく見かける温泉銭湯ですが、宿泊棟もあるので泊まれます。
屏風山といえば津軽藩政時代に造林された防砂林が有名でして、今ではメロンの産地としても名を馳せていますが、この温泉は実際の屏風山よりかなり東に位置する木造の町外れ、旧国道101号(現県道245号線)沿いにあるので、迷うことなくたどり着けるでしょう。訪問した日は生憎の猛吹雪、木造駅から歩いて行こうと考えていたのですが、除雪された雪が歩道を埋め尽くして山になっており、これに伴い車道も狭隘で、とても歩ける状態ではなかったので、短距離にもかかわらずタクシーを使っちゃいました。

 
館内に入ると、この手の施設には珍しく夫婦と思しき若い男女二人が受付カウンターで対応してくださいました。ねぶたの絵の暖簾、そして「北の京 木造」と染め抜かれた暖簾をそれぞれ潜って脱衣所へ。


いかにも銭湯らしい広々とした脱衣所。浴室とはガラスで仕切られています。衣類や荷物は籠に入れ、それを棚へ収めたらお風呂へGO!


浴室の中央に浴槽が据えられ、その両側に洗い場が設けられているという、青森県の銭湯おなじみのスタイル。
押しバネ式カランが計23ヶ所(左側11ヶ所+右側12ヶ所)、固定式シャワーは場所によって設けられていたりいなかったり…。なおカランから出てくるお湯は源泉です。この他、源泉使用の打たせ湯や水風呂もあります(サウナは故障中でした)。


浴槽は二分割され、湯口のある手前側は若干熱め、奥側はちょっと広くて湯加減は適温。SUSのフレキ管2本が湯口ですが、なぜか出てくるお湯の温度が微妙に異なっており、脱衣所に向かって右側の方がやや熱めでした。湯使いはれっきとした源泉掛け流し。

お湯は薄い黄褐色透明で、はっきりとした(やや強めの)塩味+出汁味+炭酸みたいな(でも炭酸ではない)味。ちょっと金気も含まれているかも。お出汁のような匂い+臭素臭+ヨードのような匂いで、味や匂いが海水由来のお湯であることを如実に伝えてくれます。津軽平野の西北五地域で良く見られるタイプのお湯で、ご近所の光風温泉にとっても似ている泉質です。
ツルスベ感が強くてとても気持ちの良い浴感。食塩のパワーによって湯上りの火照りが強く、外に出てからも猛吹雪なのにしばらくは汗が止まりませんでした。しかもそれが持続するのですから、温泉の力って本当にすごいですね。


ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 55.2℃

JR五能線・木造駅より徒歩15分(約900m)
青森県つがる市木造浦船58-2  地図
0173-42-1697

6:00~23:00
390円
ドライヤー10円/3分、ロッカー100円有料、その他販売

私の好み:★★★
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いわき湯本温泉 旅館こいと

2011年04月25日 | 福島県
(この記事は震災の一ヶ月前に訪問した時の様子を書き起こしたものです。現在もこちらのお宿は営業中ですが、もしかしたら若干の変更点があるかもしれませんので、ご了承ください)



いわき湯本温泉の中心部、温泉神社の近くに位置する旅館のひとつです。昼間の限られた時間帯に日帰り入浴を受け付けているので、その時間を狙って訪問しました。


旅館とはいえ、なかなか立派なロビー。一角には相田みつをギャラリーなるものが併設されていました。

 
ロビー奥の専用入口からお風呂へと向かいます。まずこちらで靴を脱いでスリッパに履き替えましょう。この下足場はちょっと狭めかも。


下足場からトンネル状の通路を歩きます。

 
壁面には旅館従業員の方が温泉についていろいろと説明している手書きの貼紙が掲示されています。手書きならではのぬくもりがたっぷり。お客さんに分かりやすく訴えようとする熱意が伝わってきますね。

 
トンネルを抜けると脱衣所入口。そして脱衣所。休日の午前11時頃に訪問したのですが、お客さんは入れ替わりながらも常時5~7人をキープしており、人気の高さが窺えます。


奥へ長い内湯は、片方に洗い場が、もう片方に浴槽が並んでいます。カランはシャワー付き混合栓が10ヶ所で、硫黄のために金具が硫化して黒ずんでいます(これぞ硫黄泉であることの嘘偽りの無い証拠ですね)。
浴槽は手前と奥で二分割されており、それぞれ7~8人サイズ、手前がぬるめ(約40℃)、奥がやや熱め(約42度)で設定されています。手前の槽は源泉の投入量がかなり絞られており、加水もされているのか、お湯はほぼ無色透明ですが、ちゃんと硫黄らしさ(匂い等)は感じられます。一方、奥の槽は源泉そのままで投入されており、透明ながらも抹茶ミルクのような白みを帯びたエメラルドグリーン。湯口から注がれるお湯は50℃近いため、投入量を絞ることによって湯温を調整しているようです。


子供用のビニールプールもありました。小さな子供連れでも安心ですね。

 
露天風呂は建物と敷地裏手の斜面の間のわずかな場所に、工夫して頑張って作り上げたような感じ。浴槽でほとんどを占められているため、湯上りにクールダウンするようなスペースはあまり確保されていません。岩風呂風の浴槽は6~7人サイズ。外気で冷却されることを見込んでいるのか、お湯の投入量はしっかりおり、湯加減もちょうどいい具合でした。この冷却効果のためか、内湯で見られた緑色は薄くなる代わりに、白色が強調されて弱く濁り、浴槽内の石には硫黄分が白く付着しています。またそこから剥がれた白い浮遊物もちらほら。鼻をツンと刺激する強めの焦げたような硫黄臭は、いわき湯本ならでは。マイルドな塩味+芒硝味+ほろ苦さ。食塩泉的ツルツルと硫酸塩的キシキシが混在する浴感でした。

この界隈の旅館では同様に日帰り入浴が楽しめますが、客に対する細かな配慮が至るところから感じられるこちらのお宿にはとっても好印象を抱きました。楽天トラベルやじゃらんなどの宿泊予約サイトで高評価を得ているのも首肯できます。
震災後、源泉温度が若干下がってしまったようですが、今では問題なく営業しているようです。



湯本温泉源泉
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 59.0℃ pH8.1 4750L/min(動力揚湯) 溶存成分1.740g/kg 成分総計1.743g/kg

JR常磐線・湯本駅より徒歩10分弱(約560m)
福島県いわき市常磐湯本町笠井1  地図
0246-42-2151
ホームページ

日帰り入浴11:00~14:30
800円
ドライヤー・ボディーソープ&シャンプー類あり、貴重品は帳場預かり

私の好み:★★★



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