前編記事からの続編です。
お宿ご自慢の「有縁の湯」は明るくて開放的で、ゆったりのんびり寛げるお風呂として大変素晴らしかったのですが、へそ曲がりで偏屈な私はお湯から得られるフィーリングにマニア的な消化不良感を覚えたため、館内にある別のお風呂を目指すことにしました。
一旦着替えて、フロントまで戻り、その手前を曲がってアネックス(別館)へと進みます。アネックスと称していますが、建物の造りから推測するにおそらく旧館なのでしょう。内装に木材を多用した構造でm天井がやけに低く、全体的に造りが思いっきり昭和です。このアネックスには「楽々の湯」と「石割の湯」という2つの浴室があるのですが、後者は清掃中で利用できなかったため、「楽々の湯」を利用することにしました。
本館フロント付近から伸びるアネックス1階廊下を進んだ先に、上画像のような螺旋階段があります。「楽々の湯」は男女で階層が分かれているらしく、男湯はこの螺旋階段を上がった2階です。
階段を上がって右に折れた場所にある男湯の脱衣室は縦に細長い造りをしており、廊下と同じく天井が狭くくて、昭和の面影を色濃く残す造りなのですが、お手入れ自体はしっかりされており、古いながらも綺麗です。
浴場は大きな六角堂のような形状をしており、北側の駐車場へ突き出るように建てられています。古いけれどもそこそこ広く、場内には大小1つずつ浴槽が設けられています。いずれもアメーバのような形容しがたい形状をしているのですが、それぞれ人研ぎ石でつくられており、肌に触れた時に表面から得られる感触がとても滑らかです。前回記事の「有縁の湯」ができる前は、こちらがメインの大浴場だったのでしょう。
洗い場にはシャワー付きカランが5つ並んでおり、アメニティーも揃っています。
2つある浴槽のうち、小さい方のお湯は入りやすい温度に調整されていました。ぬるめと言わず「いやし」と表現するところが素敵ですね。
一方、大きな方は勾玉のような形をしており、その中で大小の円を刳りぬく感じで入浴部分が造られています。それぞれに対して湯口があり、ひとつは適温に調節されたお湯が出てくる口で、他方は熱いままのお湯が出てくる口なのですが、大小の円はひとつにつながっているので、大小で湯温の差はあまりなく、全体的にちょっと熱めの湯加減でした。
湯使いは純然たる掛け流し。湯尻から惜しげもなくオーバーフローしています。
それぞれの湯口には析出こびりついており、特に熱いお湯を吐出する球体の湯口には、あたかもサンゴ礁のごときトゲトゲにびっしりと覆われていました。マニア的にはこうした光景を目にすると興奮せずにはいられません。
お湯は温泉地内の各宿泊施設などが共同で管理・引湯している共同源泉ですから、前々回記事の「滝の湯」や前回記事の「有縁の湯」と同じですが、にもかかわらずお風呂によってお湯の感じ方が異なるのは、それぞれで湯使いが違うからに他なりません。「楽々の湯」の脱衣室に掲示されている湯使いの説明によれば、「源泉掛け流し風呂です」と表記されています。「有縁の湯」の「源泉循環式掛け流し」という謎めいた方式ではない、純然たる掛け流しであると思われます。
お湯は無色透明ながら微かに青白い色を帯びているように見え、湯中では白い湯の花が少々舞っています。お湯からは軟式ゴムボールのような硫黄風味の他、甘い味とほろ苦み、そして粉っぽい味が感じられました。肩まで湯船に浸かると、さらっとした軽やかな感触と同時にキシキシと引っかかる浴感が拮抗しながら肌に伝わってきます。お湯のコンディションは断然この「楽々の湯」が良く、おかげですっかり「赤倉ホテル」のお風呂に対する印象が好転しました。
私はついついマニア受けするようなお風呂を選ぶ傾向にあるため、世間一般との志向に乖離が生じ、しばしばブログの読者の方から苦情を頂戴するのですが、こちらのホテルでしたら多くの人に好印象を与えるであろう大きくて明るい大浴場と、お湯に拘る人を納得させるトラディショナルな浴場を両立させていますので、余計な心配をせず安心してご紹介することができます。さすが歴史ある赤倉温泉のお宿であると感心しました。
カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉 50.2℃ pH6.6 湧出量測定不能(自然湧出) 溶存物質1262mg/kg 成分総計1321mg/kg
Na+:79.0mg(24.02mval%), Mg++:43.0mg(24.72mval%), Ca++:129.4mg(45.11mval%),
SO4--:327.3mg(48.64mval%), HCO3-:354.7mg(41.50mval%),
H2SiO3:243.1mg, CO2:59.4mg,
(平成27年8月4日)
新潟県妙高市大字赤倉486
0255-87-2001
ホームページ
日帰り入浴9:00~21:00
1000円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★(有縁の湯)、★★★(楽々の湯)
お宿ご自慢の「有縁の湯」は明るくて開放的で、ゆったりのんびり寛げるお風呂として大変素晴らしかったのですが、へそ曲がりで偏屈な私はお湯から得られるフィーリングにマニア的な消化不良感を覚えたため、館内にある別のお風呂を目指すことにしました。
一旦着替えて、フロントまで戻り、その手前を曲がってアネックス(別館)へと進みます。アネックスと称していますが、建物の造りから推測するにおそらく旧館なのでしょう。内装に木材を多用した構造でm天井がやけに低く、全体的に造りが思いっきり昭和です。このアネックスには「楽々の湯」と「石割の湯」という2つの浴室があるのですが、後者は清掃中で利用できなかったため、「楽々の湯」を利用することにしました。
本館フロント付近から伸びるアネックス1階廊下を進んだ先に、上画像のような螺旋階段があります。「楽々の湯」は男女で階層が分かれているらしく、男湯はこの螺旋階段を上がった2階です。
階段を上がって右に折れた場所にある男湯の脱衣室は縦に細長い造りをしており、廊下と同じく天井が狭くくて、昭和の面影を色濃く残す造りなのですが、お手入れ自体はしっかりされており、古いながらも綺麗です。
浴場は大きな六角堂のような形状をしており、北側の駐車場へ突き出るように建てられています。古いけれどもそこそこ広く、場内には大小1つずつ浴槽が設けられています。いずれもアメーバのような形容しがたい形状をしているのですが、それぞれ人研ぎ石でつくられており、肌に触れた時に表面から得られる感触がとても滑らかです。前回記事の「有縁の湯」ができる前は、こちらがメインの大浴場だったのでしょう。
洗い場にはシャワー付きカランが5つ並んでおり、アメニティーも揃っています。
2つある浴槽のうち、小さい方のお湯は入りやすい温度に調整されていました。ぬるめと言わず「いやし」と表現するところが素敵ですね。
一方、大きな方は勾玉のような形をしており、その中で大小の円を刳りぬく感じで入浴部分が造られています。それぞれに対して湯口があり、ひとつは適温に調節されたお湯が出てくる口で、他方は熱いままのお湯が出てくる口なのですが、大小の円はひとつにつながっているので、大小で湯温の差はあまりなく、全体的にちょっと熱めの湯加減でした。
湯使いは純然たる掛け流し。湯尻から惜しげもなくオーバーフローしています。
それぞれの湯口には析出こびりついており、特に熱いお湯を吐出する球体の湯口には、あたかもサンゴ礁のごときトゲトゲにびっしりと覆われていました。マニア的にはこうした光景を目にすると興奮せずにはいられません。
お湯は温泉地内の各宿泊施設などが共同で管理・引湯している共同源泉ですから、前々回記事の「滝の湯」や前回記事の「有縁の湯」と同じですが、にもかかわらずお風呂によってお湯の感じ方が異なるのは、それぞれで湯使いが違うからに他なりません。「楽々の湯」の脱衣室に掲示されている湯使いの説明によれば、「源泉掛け流し風呂です」と表記されています。「有縁の湯」の「源泉循環式掛け流し」という謎めいた方式ではない、純然たる掛け流しであると思われます。
お湯は無色透明ながら微かに青白い色を帯びているように見え、湯中では白い湯の花が少々舞っています。お湯からは軟式ゴムボールのような硫黄風味の他、甘い味とほろ苦み、そして粉っぽい味が感じられました。肩まで湯船に浸かると、さらっとした軽やかな感触と同時にキシキシと引っかかる浴感が拮抗しながら肌に伝わってきます。お湯のコンディションは断然この「楽々の湯」が良く、おかげですっかり「赤倉ホテル」のお風呂に対する印象が好転しました。
私はついついマニア受けするようなお風呂を選ぶ傾向にあるため、世間一般との志向に乖離が生じ、しばしばブログの読者の方から苦情を頂戴するのですが、こちらのホテルでしたら多くの人に好印象を与えるであろう大きくて明るい大浴場と、お湯に拘る人を納得させるトラディショナルな浴場を両立させていますので、余計な心配をせず安心してご紹介することができます。さすが歴史ある赤倉温泉のお宿であると感心しました。
カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉 50.2℃ pH6.6 湧出量測定不能(自然湧出) 溶存物質1262mg/kg 成分総計1321mg/kg
Na+:79.0mg(24.02mval%), Mg++:43.0mg(24.72mval%), Ca++:129.4mg(45.11mval%),
SO4--:327.3mg(48.64mval%), HCO3-:354.7mg(41.50mval%),
H2SiO3:243.1mg, CO2:59.4mg,
(平成27年8月4日)
新潟県妙高市大字赤倉486
0255-87-2001
ホームページ
日帰り入浴9:00~21:00
1000円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★(有縁の湯)、★★★(楽々の湯)