ちょうど1か月前まで九州の温泉を連続して取り上げていましたが、今回から再び九州の温泉に戻り、数回連続で福岡県筑後川流域の温泉を取り上げます。久留米市郊外の田主丸地区に眺望のすばらしい露天風呂があって、人気を博していると噂に聞いたので、実際に行ってみることにしました。
Googleマップに導かれながら田主丸地区の南方へ向かい、里と山の境に沿って伸びる細い道を走ってゆくと、上画像のようなゲートがある場所に行き着きました。ここから更に急な坂道をどんどん上がっていきます。「みのう山荘」という名前の通り、今回の目的地は耳納山地の山裾に位置しているのです。
駐車場に車をとめて、受付へ向かいます。施設は山裾の傾斜地に建てられており、全体的に当世風で小洒落ています。受付がある建物には眺めの良いレストラン&カフェが併設されており、時間が合えば食事を楽しんでいきたかったのですが、ランチにはまだ早い時間帯だったため、今回は入浴だけの利用とさせていただきました。
受付やレストランの先には温泉の熱で食材を蒸す蒸し器が設けられており、朦々と白い湯気を上げていました。福岡県では珍しいものの、大分・熊本・鹿児島など九州各県の温泉にはこの手の設備が多くみられますので、湯気を上げる温泉蒸し器を目にするたび「あ、私はいま地熱資源が豊かな九州にいるんだ」と実感しちゃいます。
この温泉蒸し器がある場所は眺望が実に素晴らしく、この日はあいにくの天気でしたが、それでも筑後川流域の一帯を一望することができました。この見晴らしの丘に家族風呂があり、各個室から歓声が聞こえてきました。他人を気にせず身内だけで楽しめる家族風呂はどこへ行っても人気ですが、このような家族風呂を併設する施設が多いことも九州の温泉に見られる特徴のひとつであり、関東で暮らす私にとって九州の温泉環境はうらやましいことこの上ありません。
さて、大浴場を利用する私は、受付の前にある階段で2階にあがり、廊下を進んで男湯の扉を開けました。ウッディな脱衣室は決して広くなく、どちらかと言えば薄暗い感じ。にもかかわらず室内にはコの字型にコインロッカーが設置されていますので、週末など混雑時には他のお客さんとの干渉がちょっと心配です。
(お風呂の画像は公式サイトより借用しました)
脱衣室を抜けて浴室に入ると、(男湯の場合は)右側にシャワーが3つ並んでおり、左側には水道の蛇口のようなものが取り付けられていて、正面にはホームベースのような形状をした主浴槽がひとつ据えられています。主浴槽の真上に開けられた大きな窓からは筑後平野が一望でき、室内ながら開放的でのびのび気持ちよく湯あみできます。奥の湯口からちょっと熱めのお湯が注がれ、木の縁からしっかりオーバーフローしていました。
ところで、私が訪ねたのはお昼前の比較的早い時間だったのですが、さすが人気施設だけあって既に利用客が多く、3つしかない洗い場は埋まりかけていました。お昼前でこれなんだから、お昼過ぎや夕方の混雑時間帯にはどうなってしまうのかと余計な心配をしてしまったのですが、露天風呂へ出る扉を開けてひと安心。露天へ出てすぐ右側にドアがあり、中にはいかにも追加で増設しました感が強い洗い場がありました。3つだけでは足らなかったのですね。ちなみにシャワーから出てくるお湯は温泉です。
内湯から屋外へ出る扉を開け、ちょっと下ったところに露天の岩風呂が設えられています。なお湯船の半分ほどは屋根掛けされているので、多少の雨なら凌げそうです。この岩風呂は奥に長い造りになっていて、8~9人は同時に入れそうな大きさです。なお奥の方はちょっと浅くなっているので、肩まで浸かりたい方は手前の方で入浴しましょう。お湯は最奥の湯口から大量に投入され、湯尻から惜しげもなく溢れ出ていました。浴槽の湯口側が浅いのは熱いお湯を適温まで冷ますために工夫なのかもしれませんね。なお露天は湯温にムラが発生しがちなので、奥の湯口のみならず、手前側の槽内(底)からも投入することで温度の均衡を図っていました。
高台に位置しているため眺めが良い露天風呂。上述のように訪問時が天気が悪く筑後平野は霞んでおり、朝倉方面は雲海状態になっていましたが、それはそれで幻想的な景色。周囲は木々に囲まれ、自然豊かで静寂な環境です。
さて、肝心のお湯についてですが、見た目は無色透明で特段湯の華などは見られませんでした。でも館内表示には湯の華に関する説明がありましたので、よく見れば浮遊を確認できるのかもしれません。同じく館内説明によると、こちらの温泉は自家源泉で深く掘削したら自噴するようになったんだとか。その源泉温度は50℃超。そのお湯を加水することなくかけ流しているため、湯船ではやや熱めの湯加減になっていたようです。分析表の数値を見ますと重曹泉型の単純泉であり、それほど強くはないものの心地よいツルスベ浴感が得られます。お湯を口に含むと若干のほろ苦みとゴムのような焦げたような風味を感じ取れました。湯量豊富なので内湯・露天ともにお湯の鮮度感は抜群です。
景色よし、お湯良し、という条件が揃えば、人気を博するのも至極当然。世間の評判を再確認する一湯でした。
単純温泉 50.2℃ pH7.7 溶存物質680.9mg/kg 成分総計684.4mg,
Na+:180mg,
F-:13mg, HCO3-:410mg, CO3--:6.2mg,
H2SiO3:52mg,
(平成23年2月21日)
加温加水循環消毒なし
福岡県久留米市田主丸町森部1206
0943-74-1268
ホームページ
大浴場10:00~21:30(受付終了21:00。家族風呂等の営業時間は公式サイトをご覧ください) 木曜定休
770円
ロッカー(100円リターン式)シャンプー類、ドライヤーあり
私の好み:★★★
Googleマップに導かれながら田主丸地区の南方へ向かい、里と山の境に沿って伸びる細い道を走ってゆくと、上画像のようなゲートがある場所に行き着きました。ここから更に急な坂道をどんどん上がっていきます。「みのう山荘」という名前の通り、今回の目的地は耳納山地の山裾に位置しているのです。
駐車場に車をとめて、受付へ向かいます。施設は山裾の傾斜地に建てられており、全体的に当世風で小洒落ています。受付がある建物には眺めの良いレストラン&カフェが併設されており、時間が合えば食事を楽しんでいきたかったのですが、ランチにはまだ早い時間帯だったため、今回は入浴だけの利用とさせていただきました。
受付やレストランの先には温泉の熱で食材を蒸す蒸し器が設けられており、朦々と白い湯気を上げていました。福岡県では珍しいものの、大分・熊本・鹿児島など九州各県の温泉にはこの手の設備が多くみられますので、湯気を上げる温泉蒸し器を目にするたび「あ、私はいま地熱資源が豊かな九州にいるんだ」と実感しちゃいます。
この温泉蒸し器がある場所は眺望が実に素晴らしく、この日はあいにくの天気でしたが、それでも筑後川流域の一帯を一望することができました。この見晴らしの丘に家族風呂があり、各個室から歓声が聞こえてきました。他人を気にせず身内だけで楽しめる家族風呂はどこへ行っても人気ですが、このような家族風呂を併設する施設が多いことも九州の温泉に見られる特徴のひとつであり、関東で暮らす私にとって九州の温泉環境はうらやましいことこの上ありません。
さて、大浴場を利用する私は、受付の前にある階段で2階にあがり、廊下を進んで男湯の扉を開けました。ウッディな脱衣室は決して広くなく、どちらかと言えば薄暗い感じ。にもかかわらず室内にはコの字型にコインロッカーが設置されていますので、週末など混雑時には他のお客さんとの干渉がちょっと心配です。
(お風呂の画像は公式サイトより借用しました)
脱衣室を抜けて浴室に入ると、(男湯の場合は)右側にシャワーが3つ並んでおり、左側には水道の蛇口のようなものが取り付けられていて、正面にはホームベースのような形状をした主浴槽がひとつ据えられています。主浴槽の真上に開けられた大きな窓からは筑後平野が一望でき、室内ながら開放的でのびのび気持ちよく湯あみできます。奥の湯口からちょっと熱めのお湯が注がれ、木の縁からしっかりオーバーフローしていました。
ところで、私が訪ねたのはお昼前の比較的早い時間だったのですが、さすが人気施設だけあって既に利用客が多く、3つしかない洗い場は埋まりかけていました。お昼前でこれなんだから、お昼過ぎや夕方の混雑時間帯にはどうなってしまうのかと余計な心配をしてしまったのですが、露天風呂へ出る扉を開けてひと安心。露天へ出てすぐ右側にドアがあり、中にはいかにも追加で増設しました感が強い洗い場がありました。3つだけでは足らなかったのですね。ちなみにシャワーから出てくるお湯は温泉です。
内湯から屋外へ出る扉を開け、ちょっと下ったところに露天の岩風呂が設えられています。なお湯船の半分ほどは屋根掛けされているので、多少の雨なら凌げそうです。この岩風呂は奥に長い造りになっていて、8~9人は同時に入れそうな大きさです。なお奥の方はちょっと浅くなっているので、肩まで浸かりたい方は手前の方で入浴しましょう。お湯は最奥の湯口から大量に投入され、湯尻から惜しげもなく溢れ出ていました。浴槽の湯口側が浅いのは熱いお湯を適温まで冷ますために工夫なのかもしれませんね。なお露天は湯温にムラが発生しがちなので、奥の湯口のみならず、手前側の槽内(底)からも投入することで温度の均衡を図っていました。
高台に位置しているため眺めが良い露天風呂。上述のように訪問時が天気が悪く筑後平野は霞んでおり、朝倉方面は雲海状態になっていましたが、それはそれで幻想的な景色。周囲は木々に囲まれ、自然豊かで静寂な環境です。
さて、肝心のお湯についてですが、見た目は無色透明で特段湯の華などは見られませんでした。でも館内表示には湯の華に関する説明がありましたので、よく見れば浮遊を確認できるのかもしれません。同じく館内説明によると、こちらの温泉は自家源泉で深く掘削したら自噴するようになったんだとか。その源泉温度は50℃超。そのお湯を加水することなくかけ流しているため、湯船ではやや熱めの湯加減になっていたようです。分析表の数値を見ますと重曹泉型の単純泉であり、それほど強くはないものの心地よいツルスベ浴感が得られます。お湯を口に含むと若干のほろ苦みとゴムのような焦げたような風味を感じ取れました。湯量豊富なので内湯・露天ともにお湯の鮮度感は抜群です。
景色よし、お湯良し、という条件が揃えば、人気を博するのも至極当然。世間の評判を再確認する一湯でした。
単純温泉 50.2℃ pH7.7 溶存物質680.9mg/kg 成分総計684.4mg,
Na+:180mg,
F-:13mg, HCO3-:410mg, CO3--:6.2mg,
H2SiO3:52mg,
(平成23年2月21日)
加温加水循環消毒なし
福岡県久留米市田主丸町森部1206
0943-74-1268
ホームページ
大浴場10:00~21:30(受付終了21:00。家族風呂等の営業時間は公式サイトをご覧ください) 木曜定休
770円
ロッカー(100円リターン式)シャンプー類、ドライヤーあり
私の好み:★★★