(2022年7月訪問)
近年の猛暑はもはや殺人的であり、屋外を歩くだけでも眩暈がしますが、こんな時には体温と同程度のぬるいお湯に浸かって副交感神経を優位にさせ、心身をリラックスさせたいものです。関東近圏でぬる湯の宝庫といえば山梨県ですが、その中でも今回は「旅館日の出温泉」で一泊お世話になったときのことを記事にさせていただきます。私は自分の車で現地へ向かいましたが、中央線の石和温泉駅北口から徒歩10分圏内にあるので、電車でのアクセスも良好です。
敷地の入口には「元湯瀧鉱泉」と記された石碑が立ち、その後ろには源泉設備があります。敷地内に源泉があるということは、つまり宿のお風呂で自家源泉の温泉に入れるわけですね。なおこの日の出温泉は石和春日居エリアで最も古い温泉で、開湯は明治42年なんだそうです。
石和温泉といえば昭和的な歓楽要素の強い温泉街ですが、日の出温泉は石和温泉とは離れた場所にある一軒宿で、石和らしい歓楽的要素は一切なく、周囲はたいへん静かな環境です。お宿自体は静かな環境に相応しい、質実剛健な感じの3階建です。なお奥に屹立しているのは旅館とは無関係なマンションです。
玄関で声を掛けますと、若女将が対応してくださいました。
館内にはニャンコがいるため、玄関のドアは開放厳禁です。
今回案内してくださったお部屋は「桜」と名付けられた202号室。
8畳の和室に広縁が設けられたお部屋で、室内にはトイレやユニットバス(非温泉)のほか洗面台もあって便利です。
テレビやエアコン、冷蔵庫なども完備されていますが、wifiは帳場周りのみ飛んでおり、客室では利用不可でした。
こちらのお宿は比較的お安く泊まれるにも関わらず、お食事が美味しくボリュームも満点で、大食漢の御仁でもきっと満足するでしょう。しかも和風旅館にありがちな、食べ方に頭を捻るような懐石ではなく、家庭料理のような取っ付き易い献立が多いので、肩肘張らずにいただけるのも嬉しいところです。
上画像は夕食のようす。夏野菜、肉のグリル、魚のカマ、刺身、ウナギが入った茶碗蒸し等、ガッツリ食べ応えがあるお料理で、いずれも美味。
こちらは天ぷらと馬刺しですね。
ひと通りの料理を食べ終わった頃に出されたのが、白飯かわりのひやむぎと、ご当地名産の桃。
夏の暑い時期に食うひやむぎは美味い。そして山梨県の桃は最高に甘い。特にこの時の桃は、大きくて形も色も良く、甘さも極上で、大変すばらしいものでした。
一方こちらは朝食。いかにも和風旅館らしい献立で、こちらも美味しくいただきました。
食後のデザートは甲州名物、桃とぶどう。
本当に美味い!
さて次回記事ではぬる湯の名湯である日の出温泉のお風呂を取り上げます。
次回に続く。