一関市東山町長坂 2009年9月15日(木)
2009年9月15日(火)、一関市東山町長坂字町にある本屋さんの隣にある庭で、「マスカット(Muscat)」と呼ばれるブドウ(葡萄)の実が蔓からぶら下がっていました。観賞用に植えたのかもしれません。
ブドウ科 ブドウ(ビティス)属 Vitis:北アメリカを中心に65種ほどある落葉性蔓植物。アジアにはヤマブドウ(山葡萄) V.coignetiaeが野生する。日本では、あまり庭で栽培されないが、欧米では秋の紅葉が素晴らしいので庭によく植えられるとのこと。
ブドウ(葡萄)Vitis vinifera:世界で最も生産量の多い果樹で、蔓性の落葉低木。開花期:5~6月。花色:淡黄。栽培されているものには2つの系統がある。
最も古くから栽培されているのはヨーロッパブドウV.viniferaで、紀元前3000年頃からコーカサス地方で栽培が始められたといわれている。この系統からワイン用の小粒の品種が生まれたという。ヨーロッパブドウは17世紀にアメリカに渡り、カリフォルニアでは栽培に成功したが、アメリカ東部では気候が合わなかったため、北アメリカ東部に自生していた病害虫に強いアメリカブドウV.laburuscaが栽培されるようになったといわれる。またヨーロッパブドウとの交雑や幾つかの野生種との交雑によって品種改良が進み、多くの品種が生まれたとのこと。
日本での本格的な栽培は明治時代になってからで、アメリカとフランスから多くの品種が導入されたが、ヨーロッパブドウの系統はほとんどが高温多湿の日本の夏の気候に合わなかった。現在日本で栽培されているのはアメリカブドウの系統が主体で、日本国内でも品種改良によって多くの品種が育成されている。
果実を生食用にするブドウは、アメリカブドウとヨーロッパブドウを親として多くの品種が作出されている。日本で最も普通に栽培される品種に次のものがある。「甲州cv.Koushu」は山梨県で実生から見い出された晩熟品種。品質のよい白ワインがつくられる。「巨峰cv.Kyohou」は静岡県で作出されたアメリカ系の品種。甘味があり、香りもいい。「デラウエアcv.Delaware」はアメリカ系で、小粒だが甘味が強い。日本では最も栽培量が多く、ジベレリン処理でタネ無しにして、初夏から出荷される。ヨーロッパ系で、粒が大きく、上品な香りがある「マスカット・オブ・アレキサンドリアcv.Muscat of Alexandria」日本では温室で栽培される。「フレーミング・マスカットcv.Flaming Muscat」「ネオ・マスカットcv.Neo Muscat」、「甲斐路」はヨーロッパ系で、皮ごと食べる品種として山梨県で改良されたものなどがある。[栽培]繁殖は挿木、接木。