2010年9月26日(日)、束稲山(たばしねやま・標高596m)の頂上部の山裾に群生しているテンニンソウ(天人草)が、沢山花を咲かせていました。また、平坦な草むらに群生したノハラアザミ(野原薊)の花にタテハチョウ科のアカタテハが数匹吸蜜に訪れていました。
テンニンソウ(天人草) シソ科 テンニンソウ属 Leucosceptrum japonicum
山地の落葉樹林の中や森の縁に生える多年草で、群生することも多い。高さ50~100㎝。茎は四角形で、基部は木質化する。葉は対生し、長さ10~25㎝、幅3~9㎝の長楕円形で、先は鋭く尖る。基部はくさび状。9~10月、淡黄色の小さな唇形花がびっしりと集まった花穂をつける。花穂の長さは5~10㎝で、花は下の方から咲いていく。花は筒形。上側は2裂、下側は3裂。ガクも筒形で、浅く5裂。花粉のついた4本の雄しべと花柱(雌しべ)は、花の筒から突き出るのでよく目立つ。花柱の先は2裂。花のそばに大きな包(ほう)があり、開花すると落ちる。和名は、穂状の蕾は、人間の顔とは異なり、この世の者でない顔のように見えることから、”天人”に見立てた。分布:北海道~九州。
仲間にミカエリソウ(見返草)L.stellipilumがある。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」&同「山渓名前図鑑・野草の名前(秋冬)」より]
アカタテハ タテハチョウ科 Vanessa indica indica (Herbst,1794)
前翅長30㎜。雄と雌は外見ではほとんど差がない。ほぼ日本全土に分布。多化性、本州中部では5月下旬頃~11月上旬に発生。八重山では一年中見られる。越冬態は主に成虫。冬期でも暖かい日には活動する。低地から山地の林縁の陽地、路傍などで見られ、普遍的だが個体数は余り多くない。移動性も強く、発生地から遠く離れた高山帯や、潮岬の南方500kmの太平洋上の南方観測船でも度々記録される。長めの滑空をしながら敏速に飛ぶ。雄は日没前、林に囲まれた空間で旋回しながら占有行動をする。訪花性は強く、樹液や腐果も好んで吸汁する。稀に吸水する。食草はイラクサ科カラムシ、ヤブマオなど各種、ニレ科のケヤキなど。[PHP研究所発行「カラー・ハンドブック 地球博物館No.1 蝶」より]
http://blog.goo.ne.jp/pea2005/s/%A5%C6%A5%F3%A5%CB%A5%F3%A5%BD%A5%A6[peaの植物図鑑:一関市室根山のテンニンソウ(天人草)