2010年12月17日(金)、岩手県立花きセンター(胆沢郡金ケ崎町六原頭無2-1)の「花の館温室」内の「亜熱帯温室」に植えられているオオタニワタリが、黄緑色で長くて大きい葉を放射状に広げていました。
チャセンシダ科 オオタニワタリ属 Neottopteris :一般にチャセンシダ(アスプレニウム)属Aspleniumとして分類されるが、そのうちで、単葉で葉脈が葉の周辺の連結脈ですべてつながっているものをオオタニワタリ属Neottopterisという。日本および近接地域の2種がよく知られている。
オオタニワタリ チャセンシダ科 オオタニワタリ属 Neottopteris antiqua
原生地:日本の暖地、済州島、台湾より南(東南アジア熱帯雨林気候区)。性状:樹上や岩石などに着生する常緑多年草シダ(羊歯)で、根茎は塊状で放射状に多数の単葉を出す。葉は革質で長さ40~100㎝ぐらいになる。耐寒性もあるが、高温多湿半日陰であれば良く生育する。室内でも充分生育するが、カイガラムシ、ナメクジに注意する。他にシマオオタニワタリがある。[誠文堂新光社発行「熱帯花木と観葉植物図鑑」より]
チャセンシダ科 Aspleniaceae :世界に広く分布しており、特に熱帯に多く10属約700種がある。そのうちほとんどがチャセンシダ属に含まれる。地上に生育するが、樹木や岩に着生するものもある。根茎は塊状で立ち上がったり、匍匐する。葉脈に沿って細長い包膜のある胞子嚢群をもち、胞子は豆形で周皮がある。約9属を含むが、チャセンシダ属以外は1ないし数種を含む小さな属である。
チャセンシダ(アスプレニウム)属 Asplenium :熱帯を中心に約700種が全世界に分布する。葉は単葉から数回羽状複葉まであり、小、中型種が多い。常緑性で、地生から樹上や岩石上に着生する。葉の美しい種類が観葉植物として鉢物に利用される。
オオタニワタリ チャセンシダ科 チャセンシダ(アスプレニウム)属 Asplenium antiguum
伊豆諸島、紀伊半島以南の暖地、琉球列島、台湾に分布し、主に山地の樹木や岩の上に着生して生育する。常緑性で、根茎は塊状になり、葉は単葉で短い葉柄をつけ放射状に広がる。ソーラス(胞子嚢群)は葉の下面の葉脈につき、多くは1つ置きの脈につき、葉の幅の3分の2~4分の3以上にわたってつく。また、中肋の表面の基部4分の1~3分の1が黒紫色で、上部は緑色となる。自生地付近でまれに栽培される。変種のニドゥス・プリカツムvar.plicatumは、葉は線状披針形で硬質となり、全面が大きく波打っている。あまり数多くは見られない。1970年代にハワイから導入された。栽培:繁殖は胞子または株分け。
シマオオタニワタリ(ニドゥス) ’アビス’ A.nidus cv.Avis
アジアから太平洋諸島かけて分布する。日本では、種子島以南の琉球列島と小笠原に原生するシマオオタニワタリ(ニドゥス)A.nidusの園芸品種。シマオオタニワタリの葉は単葉全縁で、ソーラス(胞子嚢群)は脈に沿って密に平行して並び、葉幅の2分の1以内につく。また、主脈の2分の1まで黒紫色になる。
園芸品種の’アビス’A.nidus cv.Avisは葉は立ち性で葉幅は中部以上が幅広くなり、ソーラスは下面の上部につく。やや立ち葉のため、草姿がよく鉢物として多く栽培される。変異が多く、また、基本種と同種とする説もある。シマオオタニワタリも大型の鉢物として栽培される。栽培:粗く通気性の良い有機質に富んだ壌土を用い、適度に灌水して過湿にはしない。強光は避け、越冬は5℃以上とする。繁殖は胞子、株分け。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・園芸植物」&同「山渓カラー名鑑・観葉植物」より]
https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=33577901&blog_id=82331 [peaの植物図鑑:オオタニワタリ/アスプレニウム]
http://blog.goo.ne.jp/pea2005/s/%A5%AA%A5%AA%A5%BF%A5%CB%A5%EF%A5%BF%A5%EA [peaの植物図鑑:岩手県立花きセンターのオオタニワタリ’アビス’]