2010年12月17日(金)、岩手県立花きセンター(胆沢郡金ケ崎町六原頭無2-1)の「花の館温室」内の「亜熱帯温室」に植えられているタマシダ(玉羊歯)が青々とした葉を広げていました。
シノブ科 ネフロレピス(タマシダ)属 Nephrolepis:世界の熱帯、亜熱帯に約40種ほどが分布し、日本にもタマシダなど3種が自生する。地生あるいは岩や樹木に着生する着生シダ(羊歯)で、根茎は直立して多くの匍匐枝を生ずる。種によっては塊茎をつける。葉は単羽状で、羽片の数は多い。ソーラス(胞子嚢群)は葉縁、またはその近くにつき、包膜は円形または腎円形となる。本属のエクサルタタ種(N.exaltata)には多数の園芸品種があり、観葉植物としてシダ(羊歯)植物の代表的なものである。
タマシダ(玉羊歯) シノブ科 ネフロレピス(タマシダ)属 Nephrolepis auriculata
全世界の熱帯、亜熱帯、温帯に広く分布する常緑多年生シダ(羊歯)で、日本にも伊豆半島以西の暖地に見られる。日当たりの良い岩石地や崖などに群落をなしている。匍匐枝は鱗片に覆われ、芽と塊茎をつける。芽には子株をつけ、葉は細長く、長さ30~90㎝で、長さ3㎝ほどの羽片が真横に開いてつく。羽片は全体に短いが中央部はやや長い。栗褐色の針金状の走出枝(ランナー)を出し、これに径1~2㎝の帯褐色の球状の塊茎がつくことからタマシダの和名がある。
タマシダは耐寒性があり、乾燥にも強い。温室の下草や切り葉などとして知られている。シダの典型ともいえる葉姿の育てやすいグリーンである。
栽培管理:直射日光を避けた、やや明るい日陰に置き、徒長しないように注意する。夏には根もとが蒸れることが多いので、風通しの良い場所に置く。冬にはレースのカーテン越しの日光に当てる。水やりは、夏には毎日たっぷりと与える。それ以外の季節には、鉢土の表面が乾いたら与える。乾燥時には霧吹きで葉水を行う。肥料は5~9月に、2~3ケ月に1回、緩効性の化成肥料を置き肥する。病害虫はカイガラムシに注意する。増殖は株分け。越冬温度はネフロレピス属全体では5~8℃だが、タマシダは凍らない程度であれば越冬可能。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・観葉植物」&同「山渓ポケット図鑑3・秋の花」&誠文堂新光社発行、日本インドア・グリーン協会編「熱帯花木と観葉植物図鑑」&池田書店発行「観葉植物事典」より]