ラリック展の帰り道、公園に立ち寄りました。
Takは、公園の砂場に固定して設置されている手動ショベルで砂を運んで遊び、
私は藤棚の下で休憩。
公園の唯一の日陰である藤棚の下には、おばあさん2二人組と、高校生3人組が、それぞれ、テーブルとベンチに集まっていました。
高校生3人組は、やがておばあさん達に挨拶をしてから立ち去っていきました。
「かわいらしいわねえ… 短いスカートがよく似合って。」
「でもあれは短すぎじゃないの? それにあの制服着てた子、煙草吸ってたわよ。」
とかいいながら、最近の子供があんなお行儀が悪いのは親の躾ができていないからだという話で盛り上がるおばあさん達。
そこへ、Takより少し年長と思われる少年がひとりでやってきて、ひとなつっこくおばあさん達に話しかけています。
最初私は、その子は、このおばあさん達の知り合いかと思ったけれど、どうもそうではないらしい。
少年は、藤棚の葉をちぎって遊んでいましたが、そのうちエスカレートして、蔓にぶら下がったり、蔓を切ったり。
私は見かねて「木がかわいそうよ、それにこの散らかった蔓は、ちゃんと片付けようね。」といいましたが、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」ってな感じで、気にしてない様子。
そして、そのうち独りで遊んでいたTakが来て、二人で遊び始めました。
最初は、石投げ。
どちらが遠くまで飛ぶか、投げ比べ。
それから折った蔓を持って鳩を追いかけ始めたのだけれど、
「鳩、殺そう。やったことある?」
さすがにギョッとしました。
「かわいそうでしょ。動物を虐めちゃダメよ。」
「そう簡単に当たらないから(ムチが)ほんとに死んだりしないから、だいじょうぶ」
とかなんとかいいながら、少年はTakを連れて私の目の届かない、公衆トイレの陰に走り去っていきました。
かと思うと、トイレの建物によじ登って、屋根の上にひょっこり現れたり。
降りられるのだろうか…などと心配しましたが、Takひとりでは絶対こんなことしないし、乱暴なにーちゃんと遊んでちょっと冒険するのもいいか…と思いながら見ていました。
ところが、そのうちTakが、走って私のところに戻ってきて
「あのおにーちゃん怖い。もう遊ばない!」
蔓で戦いごっこをやったようだった。長い蔓をびゅんびゅん振り回して、Takにも当たって相当痛かったらしいし、本当に怖くなってしまったらしい。
少年が「もうムチはやらないから、他のことして遊ぼう」というので、Takは少しだけ気を取り直して、また遊具のほうに二人で行きました。
でも、やっぱり少年は乱暴で教唆的なようで、Takにはついていけないらしい。
私は、見かねて「さっ、Tak、そろそろ帰ろうか」と声をかけた。
「うん、わかった~~」
と、ホッとしたように、私のところに帰ってきました。
(つづく)
Takは、公園の砂場に固定して設置されている手動ショベルで砂を運んで遊び、
私は藤棚の下で休憩。
公園の唯一の日陰である藤棚の下には、おばあさん2二人組と、高校生3人組が、それぞれ、テーブルとベンチに集まっていました。
高校生3人組は、やがておばあさん達に挨拶をしてから立ち去っていきました。
「かわいらしいわねえ… 短いスカートがよく似合って。」
「でもあれは短すぎじゃないの? それにあの制服着てた子、煙草吸ってたわよ。」
とかいいながら、最近の子供があんなお行儀が悪いのは親の躾ができていないからだという話で盛り上がるおばあさん達。
そこへ、Takより少し年長と思われる少年がひとりでやってきて、ひとなつっこくおばあさん達に話しかけています。
最初私は、その子は、このおばあさん達の知り合いかと思ったけれど、どうもそうではないらしい。
少年は、藤棚の葉をちぎって遊んでいましたが、そのうちエスカレートして、蔓にぶら下がったり、蔓を切ったり。
私は見かねて「木がかわいそうよ、それにこの散らかった蔓は、ちゃんと片付けようね。」といいましたが、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」ってな感じで、気にしてない様子。
そして、そのうち独りで遊んでいたTakが来て、二人で遊び始めました。
最初は、石投げ。
どちらが遠くまで飛ぶか、投げ比べ。
それから折った蔓を持って鳩を追いかけ始めたのだけれど、
「鳩、殺そう。やったことある?」
さすがにギョッとしました。
「かわいそうでしょ。動物を虐めちゃダメよ。」
「そう簡単に当たらないから(ムチが)ほんとに死んだりしないから、だいじょうぶ」
とかなんとかいいながら、少年はTakを連れて私の目の届かない、公衆トイレの陰に走り去っていきました。
かと思うと、トイレの建物によじ登って、屋根の上にひょっこり現れたり。
降りられるのだろうか…などと心配しましたが、Takひとりでは絶対こんなことしないし、乱暴なにーちゃんと遊んでちょっと冒険するのもいいか…と思いながら見ていました。
ところが、そのうちTakが、走って私のところに戻ってきて
「あのおにーちゃん怖い。もう遊ばない!」
蔓で戦いごっこをやったようだった。長い蔓をびゅんびゅん振り回して、Takにも当たって相当痛かったらしいし、本当に怖くなってしまったらしい。
少年が「もうムチはやらないから、他のことして遊ぼう」というので、Takは少しだけ気を取り直して、また遊具のほうに二人で行きました。
でも、やっぱり少年は乱暴で教唆的なようで、Takにはついていけないらしい。
私は、見かねて「さっ、Tak、そろそろ帰ろうか」と声をかけた。
「うん、わかった~~」
と、ホッとしたように、私のところに帰ってきました。
(つづく)