WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

「安心してお任せください」2

2010-07-23 | アーティスト魂




今日はヴォーカルのレッスンについて書きたいと思います。


大人のヴォーカル教室というのは、「やってみたい」と思っているのに、どうやって捜していいのかわからないという人がたくさんいるようなのです。

なつみちゃん(仮名)は、ロックバンドのヴォーカルをやっていて、バンド人生をめっちゃ謳歌しています。
レッスンに通い初めて1年半になります。
実は私、今だからいうけど、最初は、「ヴォイストレーニング」を継続的にレッスンするのは初体験だったので、内心ちょっとは不安があったのでした(^_^;)
でも、そんな不安は3週間で吹っ飛びました。
なつみちゃんは、とっても素直なきれいなソプラノで、私が声楽を始めた高校生のときとそっくり! 何がって…カオじゃなくて(^_^;) 、声帯の構造…とか、そんなのがだと思います。
こんな女の子が、私のところに最初に来てくれたのは、もぉ~ホントに神さまのお計らい…と思えますって!!

私は、当時声楽の先生から習ったノウハウを、もぉ~そのまんま、伝授することにしました。
ハードロック系?のバンドのヴォーカルのヴォイストレーニングにです。


ホントに毎週目に見えて(いや、耳にきこえてか!)気持ちいいほど、なつみちゃんはどんどん声が出るようになっていきました。
ご本人も、声を出していて、「めっちゃ気持ちいい」ってのを実感していることと思います。
私自身も、「ヴォイス・トレーニング」について、自分の中にしっかりとしたガイドラインを持つことができ、自信もつきました。
なつみちゃん、ありがとね♪





そうなのです。
思い切り歌うことは、本当にものすごく体に気持ちいいし、ストレス解消にもなるし、腹筋も使って、脂肪燃焼もできます!
いかがですか~みなさん(^_^;)

でも、「声」って、「声帯」と、そして、それを共鳴させる体が楽器なので、目には見えないし、それを鍛えるってことは、そんなに一朝一夕のことではないのです。
トレーナーの側としても、そこは難しいところです。

ヴォイストレーニングでは、「それはダメ、ココがダメ」というのはタブーなのだ。
声を出すのに考え込んではダメ。
目に見えない楽器を鍛えるのだから、
「それがいい♪」「今のはとってもうまくいった」
そういうときの体の感覚を覚えて、それを積み重ねていくのです。
そして、少しずつ、少しず~~つ鍛えていくうちに、声に張りと響きが出てきて、
さらには歌えなかった音域も開拓されてくのです。


また、声はとてもデリケートで、精神的なことの影響を受けやすいので、「出ない」と思い込むと、絶対に出ません。
「苦手」と思い込むと、それ以上先には絶対にいけません。

最近レッスンに来はじめたケイコさん(仮名)は、シから上が出ません。シ♭も時々出ません。
(ト音記号の五線のまんなかの音)
ほんとに、そこの音になると「ガリッ!」となっちゃって、声にならなくなるのです。
最初のレッスンの時。
「うひぇ~~こりゃーどうしたことだ!?」
その下の音までは、普通に難なく歌えているのに…
もしやポリープか…と思ったけれど、伺ってみると、耳鼻咽喉科で喉を診てもらっても、そんなことを言われたことがないと。
それなら、間違いなく「思い込み病」だ(^_^;)


私も、高校生のとき、音楽クラスの毎月の歌のテストで、クラスみんなの前で歌うとき、
レッスンや練習では、highC(五線の上にさらに架線2本重ねたところのド)まで出るのに、
テスト本番では必ず高いミから上が出ないのです。うっ!てなってしまうのです。
本番以外では難なく…いえ、美しく気持ちよく歌えているのに。
理由は、学校の先生方に私を認めてもらえないという精神的なプレッシャーでした。
私は学校外の先生に声楽を習っていたので、ほぼ全員が校内の先生にレッスンを受けている学校の中では「四面楚歌」のような雰囲気でした。
もしかして本当はそうでなかったとしても、少なくとも私はそう感じていた。
テストのときは「よーし、今度こそ!」って思っているのに、潜在意識のふっかぁ~いところに、
「四面楚歌」のプレッシャーがあったのだと思います。
その毎月ののテストで声が出るようになったのは、学校が月イチで招聘している大学の声楽の先生に、他のクラスメートと同じように、レッスンをしていただくことになってからでした。
その先生に認めていただくことで、私の疎外感も緩和されてきたのだと思います。

自分自身にそんな体験があるので、
「あなたのココがダメ、そんな発声ではダメ」と、ダメ出しをすることが、どれほど
生徒さんにプレッシャーを与えて、それが声を出すことを阻むかというのが、とってもよくわかる。







心を解放して、思い切り声を出す、喜びも、悲しみも、全部解放して体に共鳴させて外に放り出す…ってことが、歌うってことなんだよ。
小手先のテクニックや、「人にウマイと思われたい」というようなものでは決してありません。

でっ。
シ♭が出ないケイコさんですが、ギターでフォークソングの弾き語りをしたいとご希望で、
今練習していらっしゃる曲を歌ってみていただいたら、やっぱり「シ♭」が限界スレスレのラインでいってる。
それから、ココの息が続かない…ってのも、ご自分でよく把握していらっしゃる。


うっうっ、ココが出ない、コレができない…って思うのを放り投げましょう。
出るよ。出ないって思い込んでるだけだよ。
思い切り気持ちを開いて歌いましょう。

たったそれだけで、ヤバい「シ♭」はクリア。
でもまだ私、ケイコさんのレッスンは2度目なのです。3度やると、点が線に、そして、立体になって、先へ行く展望がぱ~~~っっ!と見えてくるのです、私には。

ケイコさん、大丈夫。安心してお任せください。

ピアノもヴォーカルも、誰にでも「私のノウハウはコレよ」一辺倒では通用しない。
ケイコさんが、気持ちよ~く弾き語りができるようになるまで、私も楽しくお付き合いしたいと思います。
「シ♭」なんかで満足してちゃダメっす。もっともっと、その先の新しい世界があるよ♪


…つづく


次回は「弾き語り」について語りたいと思います(*^_^*)



Comments (4)
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