ノルト・シンフォニカー 第1回 定期演奏会
2008.3.16(日)19:00開演, ちえりあホール, 一般800円
指揮 山田美穂, 歌 イル・コローレ, パート Viola
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より
・前奏曲
・ああ、そはかの人か~花から花へ
・天使のように清純な娘を
・乾杯の歌
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
アンコール エルガー 「エニグマ」より ニムロッド
・オーケストラ・アンサンブル・ブリランテの流れを汲む団体、ノルト・シンフォニカーの記念すべき第1回目の定期演奏会。
・「皆さん、今日は12時間、ちえりあに軟禁です」の練習開始時の指揮者の言葉のように、朝10時集合で夜9時撤収の長丁場でした。通常では昼~夕方開演の演奏会は午前集合、夜開演の場合は昼食後集合であることが多のですが、今回は異例です。
・会場の都合により、昼は他団体の公演があり、ホールに入れるのは17:30から。それまでは隣接の部屋でのリハーサルでした。実際にホールで音が出せるのは30分少々とこちらも異例でした。田舎だと考えられないことですが、各種団体が混みあう都会の札幌だと大変です。ホールでのリハは所々抜き出し、歌の立ち位置や楽器音量のバランスをチェックするのみでしたが、やはり天井の低い普通の部屋で音を出すのとは全く聴こえ方が違い、音がよく響き、気持ち良く弾けました。この『ちえりあ』のホールはお気に入りのホールの一つです。
・弦編成は Vn1-8,Vn2-8,Va-8,Vc-7,CB-2[人](各パート最大数)。去年(ブリランテ第1回)のときは弦がさっぱりいなくて「ほんとに大丈夫か?」と思われるほどでしたが、今回はわりとすんなり人集めができていた印象です(実態は不明)。
●椿姫より:歌を担当するのは "Il colore!" イル・コローレという団体のメンバーで、道教育大卒の方々が中心です。
・前奏曲:第1回定演の、Vnパートが担当する注目の第一音。これは緊張しますね。Vaは後から入るので気楽なのですが。直前のパート練習の甲斐もあってか、うまくいったと思います。
・ヴィオレッタのアリア:歌い手さんたちはいずれも、歌を専門に勉強されただけあって上手でしたが、中でもこの曲のヴィオレッタさんは素晴らしかったです。途中、舞台裏で歌うアルフレードが出所で落ちるハプニング。出るはずの音が出てこずに、スカーーっと伴奏のリズムだけが空しく響く恐怖の瞬間。指揮者も思わず顔に出してしまいました。とてつもなく長く感じられる一瞬の後、どうにか歌が復帰し、大事故にはならずに乗り切りました。
・二重唱:この曲は長い上に起伏に富んでいて、集中力を保つのがなかなか大変でした。他の奏者も同じなのか、伴奏はあちこちチョロりと足が出たり。
・乾杯:ここまでこれば、あとはもうお気楽に楽しくフィナーレへ。しかし、それにしても、このワルツの "後打ち" というやつはどうしても好きになれません。やっぱりメロディーを弾きたい派、です。
・前半を通して見ると、事前の歌とオケとの細かい打ち合わせはほとんど意味が無いという感想をもちました。"歌" に限った話ではありませんが、本番になって感情がこもると、場所によっては事前の打ち合わせもなにも無くなってしまうものです。『本番、何が起こるかわからない』 この点、うまくフォローできていたのではないでしょうか。
●ベト7:音譜が多く、ビオラが疲れる曲。普段より松ヤニをちょっぴり多めでがんばりました。『のだめ』でちょっとメジャーになったようです。自身、弾くのは3~4回目。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/8e/f621dae56cf2a49fc8637998b2efa1ed.jpg)
・1楽章:出だしのオーボエ、きれいに響いてました。ブラボー。途中のソロの7連譜もバッチリ。休憩中、舞台裏で目をこすったところ、目にゴミが。気になったまま、上の写真の楽譜に突入。これは苦行。
・2楽章:直前のリハーサルでは、Va&Vcの出だしの演奏があまりに素晴らしく(?)、聴き惚れたVn1が全員落ちるというハプニングが。技術的なこと云々ではなく、独特のノリというか、一体感というか、「自分たちは今、音楽してる!!」という、"音楽" の片鱗に触れるような瞬間がありました。ほんのちょっぴりではありますが、これだけでご飯三杯は軽くいけるような、そんな満足感。途中、某管楽器が1小節早く飛び出て、冷や汗。大事には至らず。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/7a/6d44fdedff72cf63346b0f58a541e6cb.jpg)
・3楽章:個人的に全楽章通してどこが一番難しい、って、上の写真の3楽章の出だし2小節です。付点四分=132のテンポで、装飾音譜を含めた全ての音をクリアに発音するのは(私にとっては)至難の業です。これを 1stポジションのみで弾いてしまう器用な人もあちこちで見かけますが、私にはとても真似ができません。途中、いつも迷ってしまう繰り返しを意識しすぎて、結局落ちてしまいました。集中力が切れかかり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/67/47f5b415a6077edfec43036aeea45910.jpg)
・4楽章:どちらの写真も難所です。左の一段目はいろいろ試して、2ポジで弾ききる。右の中段は、三つ目の音(A、2ポジ小指)がどうしても引っ込んでしまいます。左指の基礎力不足。途中、弦三部のかけ合い箇所で、ついVn2のタイミングで思い切り出てしまいました。つられてお隣さんも巻き添えに。集中力は残量ほぼゼロ。ヘタに他のパートも弾いた経験があると、いざというときに出てきてしまいます。
●ニムロッド:出だし、途中追加のVn1の伸ばし音で間違って入らないように注意。テンポがつかめず、一小節目は自主的に休符に。集中力はもうマイナス。途中、トロンボーンの最弱音の入りはゾクっときました。
・昨年よりはオケの平均年齢が上がっているのではと思いますが、それでも若い人が多く、そこから出る音もピチピチしているように感じます。編成も大きすぎず、あまり余計な音がせずスッキリとしていい感じです。これだけ音がスッキリするのだったら、弦6-5-4-3-2人くらいの、誰か一人でも間違えればモロにばれてしまうような編成で、ベートーヴェンの交響曲をやってみたいなぁ、という気持にちょっとなりました(マゾ?)。ステージ上で聴いていると、Vnパートの音量が物足りなく感じる箇所がありましたが、客席でどう聴こえていたかはわかりません。個人的にはコントラバスは4本は欲しかったところです。
・やはり、夜公演で午前からの拘束は疲れました。直前の練習しか参加できないトラが多いという苦しい台所事情もありますが、今回のスケジュールを経験してみると、「練習は本番前日まで!」と割り切った予定を組んだ方がより良い演奏に繋がるのではと思います。
・客数169名[半券数]:目測では200強かと思ったのですが、意外と入っていませんでした。しかし、昨年の132名よりは微増。もっとたくさんのお客さんに聴いてもらえたら、という演奏だったのでちょっともったいない。演奏後、拍手を受け客席を向いたときに見える顔には、普段の演奏会よりも笑顔が多かったような気がします。
2008.3.16(日)19:00開演, ちえりあホール, 一般800円
指揮 山田美穂, 歌 イル・コローレ, パート Viola
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/b8/f2d84cb6e8554e71f5c5e5b10ffdd971.jpg)
・ああ、そはかの人か~花から花へ
・天使のように清純な娘を
・乾杯の歌
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
アンコール エルガー 「エニグマ」より ニムロッド
・オーケストラ・アンサンブル・ブリランテの流れを汲む団体、ノルト・シンフォニカーの記念すべき第1回目の定期演奏会。
・「皆さん、今日は12時間、ちえりあに軟禁です」の練習開始時の指揮者の言葉のように、朝10時集合で夜9時撤収の長丁場でした。通常では昼~夕方開演の演奏会は午前集合、夜開演の場合は昼食後集合であることが多のですが、今回は異例です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/06/581c314587540a81c6d5a25c4515bed1.jpg)
・弦編成は Vn1-8,Vn2-8,Va-8,Vc-7,CB-2[人](各パート最大数)。去年(ブリランテ第1回)のときは弦がさっぱりいなくて「ほんとに大丈夫か?」と思われるほどでしたが、今回はわりとすんなり人集めができていた印象です(実態は不明)。
●椿姫より:歌を担当するのは "Il colore!" イル・コローレという団体のメンバーで、道教育大卒の方々が中心です。
・前奏曲:第1回定演の、Vnパートが担当する注目の第一音。これは緊張しますね。Vaは後から入るので気楽なのですが。直前のパート練習の甲斐もあってか、うまくいったと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/56/086906cd79d152a776b5d5a761ea08d2.jpg)
・二重唱:この曲は長い上に起伏に富んでいて、集中力を保つのがなかなか大変でした。他の奏者も同じなのか、伴奏はあちこちチョロりと足が出たり。
・乾杯:ここまでこれば、あとはもうお気楽に楽しくフィナーレへ。しかし、それにしても、このワルツの "後打ち" というやつはどうしても好きになれません。やっぱりメロディーを弾きたい派、です。
・前半を通して見ると、事前の歌とオケとの細かい打ち合わせはほとんど意味が無いという感想をもちました。"歌" に限った話ではありませんが、本番になって感情がこもると、場所によっては事前の打ち合わせもなにも無くなってしまうものです。『本番、何が起こるかわからない』 この点、うまくフォローできていたのではないでしょうか。
●ベト7:音譜が多く、ビオラが疲れる曲。普段より松ヤニをちょっぴり多めでがんばりました。『のだめ』でちょっとメジャーになったようです。自身、弾くのは3~4回目。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/8e/f621dae56cf2a49fc8637998b2efa1ed.jpg)
・1楽章:出だしのオーボエ、きれいに響いてました。ブラボー。途中のソロの7連譜もバッチリ。休憩中、舞台裏で目をこすったところ、目にゴミが。気になったまま、上の写真の楽譜に突入。これは苦行。
・2楽章:直前のリハーサルでは、Va&Vcの出だしの演奏があまりに素晴らしく(?)、聴き惚れたVn1が全員落ちるというハプニングが。技術的なこと云々ではなく、独特のノリというか、一体感というか、「自分たちは今、音楽してる!!」という、"音楽" の片鱗に触れるような瞬間がありました。ほんのちょっぴりではありますが、これだけでご飯三杯は軽くいけるような、そんな満足感。途中、某管楽器が1小節早く飛び出て、冷や汗。大事には至らず。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/7a/6d44fdedff72cf63346b0f58a541e6cb.jpg)
・3楽章:個人的に全楽章通してどこが一番難しい、って、上の写真の3楽章の出だし2小節です。付点四分=132のテンポで、装飾音譜を含めた全ての音をクリアに発音するのは(私にとっては)至難の業です。これを 1stポジションのみで弾いてしまう器用な人もあちこちで見かけますが、私にはとても真似ができません。途中、いつも迷ってしまう繰り返しを意識しすぎて、結局落ちてしまいました。集中力が切れかかり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/49/38d7997b7748cea14ff44ea56af3e25f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/67/47f5b415a6077edfec43036aeea45910.jpg)
・4楽章:どちらの写真も難所です。左の一段目はいろいろ試して、2ポジで弾ききる。右の中段は、三つ目の音(A、2ポジ小指)がどうしても引っ込んでしまいます。左指の基礎力不足。途中、弦三部のかけ合い箇所で、ついVn2のタイミングで思い切り出てしまいました。つられてお隣さんも巻き添えに。集中力は残量ほぼゼロ。ヘタに他のパートも弾いた経験があると、いざというときに出てきてしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/f4/8d53100c8f3a8db7d8f98b1c3962d3f8.jpg)
・昨年よりはオケの平均年齢が上がっているのではと思いますが、それでも若い人が多く、そこから出る音もピチピチしているように感じます。編成も大きすぎず、あまり余計な音がせずスッキリとしていい感じです。これだけ音がスッキリするのだったら、弦6-5-4-3-2人くらいの、誰か一人でも間違えればモロにばれてしまうような編成で、ベートーヴェンの交響曲をやってみたいなぁ、という気持にちょっとなりました(マゾ?)。ステージ上で聴いていると、Vnパートの音量が物足りなく感じる箇所がありましたが、客席でどう聴こえていたかはわかりません。個人的にはコントラバスは4本は欲しかったところです。
・やはり、夜公演で午前からの拘束は疲れました。直前の練習しか参加できないトラが多いという苦しい台所事情もありますが、今回のスケジュールを経験してみると、「練習は本番前日まで!」と割り切った予定を組んだ方がより良い演奏に繋がるのではと思います。
・客数169名[半券数]:目測では200強かと思ったのですが、意外と入っていませんでした。しかし、昨年の132名よりは微増。もっとたくさんのお客さんに聴いてもらえたら、という演奏だったのでちょっともったいない。演奏後、拍手を受け客席を向いたときに見える顔には、普段の演奏会よりも笑顔が多かったような気がします。