経済なんでも研究会

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テリーザ・メイ首相の 壮絶な最期

2019-05-29 07:47:15 | イギリス
◇ イギリスは混迷の極致に = イギリスのテリーザ・メイ首相が、とうとう降板に追い込まれた。これまでEU離脱を巡っていくつもの方策を議会に提案してきたが、ことごとく否決。最後は再度の国民投票案まで持ち出したが、これもダメ。地方選挙では保守党が大敗するなど、自分が率いる保守党内からも辞任を要求される始末だった。6月7日に党首を辞め、次期党首が決まりしだい首相の座も明け渡す。

保守党は7月中に次期党首を選出する予定。現在の下院で保守党は過半数を割っているが、それでも第1党だ。したがって次期党首が、首相に選ばれることは間違いない。最近の世論調査では、ロンドン市長と外相を務めたことがあるジョンソン氏が最有力。EU離脱の強硬派だから、この人が首相になれば「合意なき離脱」の可能性が強くなるだろう。

それにしても、イギリス議会は“解のない方程式”だ。大別して何があっても離脱する強硬離脱派、EUとの経済関係は維持しながら離脱する穏健離脱派、それに残留派の3グループに分けられる。しかし、どんな具体案が出されても、このうちの2派が反対するから、まとまるはずがない。誰が首相になっても、同じなのではないか。

とにかく「離脱はしたいが、アイルランド国境問題は現状維持」という全く矛盾した発想の議員が多すぎる。これでは解決のしようがない。首相の問題ではなく、議会が異常だと言ったらイギリス人は怒るだろうか。矢尽き刀折れて退陣したメイ首相に拍手を送りたいと思うのは、日本人的な感覚に過ぎるのだろうか。

       ≪28日の日経平均 = 上げ +77.56円≫

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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