◇ イギリスを襲う次なる難題 = イギリスは昨年末、EUとの間で離脱後の関係を定める広範な交渉で合意した。これによって交渉が決裂した場合に想定された経済的・社会的大混乱は、あやうく回避された。ところが一安心するヒマもない。新型コロナの変異ウイルスが急速に拡散、イングランドでは3度目の都市封鎖が断行された。そのうえスコットランドが、大英帝国から離脱する危険性も強まっている。
EUとの間で合意した内容は、すべての輸入関税を相互にゼロとするFTA(自由貿易協定)の締結。航空・鉄道・車両・船舶など交通機関の現状維持、イギリス水域内での漁業権など。このうち最後まで揉めた漁業権については、EUの漁獲量を25%減らし、少なくとも5年半は操業を認めることで決着した。
交渉の妥結は当たり前のことだが、イギリスとEUの双方が譲歩することでもたらされた。漁業権の譲歩もその1つだが、イギリス国内ではそれに対する不満も高まっている。特にスコットランドでは、批判が強い。もともとスコットランドはEU離脱に反対。離脱を決めた16年の国民投票でも、スコットランドだけをとれば62%が残留に賛成していた。
というのもスコットランドは、工業製品やウイスキーなどEUへの輸出依存度が高い。今回も関税はゼロのままだが、域外国となったため複雑な通関手続きが必要になった。メーカーにとっては、余計なコストがかさむわけである。そして5月にはスコットランド議会の選挙が行われる。コロナの影響もあって、それまでに景気が悪化すると独立派の議席が増える。「イギリスはEUから離脱した。われわれはイギリスから離脱する」という空気が一挙に高まりかねない。
≪6日の日経平均 = 下げ -102.69円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
EUとの間で合意した内容は、すべての輸入関税を相互にゼロとするFTA(自由貿易協定)の締結。航空・鉄道・車両・船舶など交通機関の現状維持、イギリス水域内での漁業権など。このうち最後まで揉めた漁業権については、EUの漁獲量を25%減らし、少なくとも5年半は操業を認めることで決着した。
交渉の妥結は当たり前のことだが、イギリスとEUの双方が譲歩することでもたらされた。漁業権の譲歩もその1つだが、イギリス国内ではそれに対する不満も高まっている。特にスコットランドでは、批判が強い。もともとスコットランドはEU離脱に反対。離脱を決めた16年の国民投票でも、スコットランドだけをとれば62%が残留に賛成していた。
というのもスコットランドは、工業製品やウイスキーなどEUへの輸出依存度が高い。今回も関税はゼロのままだが、域外国となったため複雑な通関手続きが必要になった。メーカーにとっては、余計なコストがかさむわけである。そして5月にはスコットランド議会の選挙が行われる。コロナの影響もあって、それまでに景気が悪化すると独立派の議席が増える。「イギリスはEUから離脱した。われわれはイギリスから離脱する」という空気が一挙に高まりかねない。
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