経済なんでも研究会

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不気味な 日米貿易交渉 (上)

2019-07-24 07:04:06 | 貿易
◇ 参院選の結果を喜べない経済界 = 参院選では自民・公明の与党が圧勝。しかし憲法改正の国会発議ができる数には届かなかった。政治の安定性が保たれる一方で、改憲に伴うゴタゴタは回避された。経済界にとっては、最も望ましい結果に終わったと言えるだろう。だが市場には“ご祝儀相場”の雰囲気はなく、月曜日の日経平均は下落した。選挙後に出現するはずの難題に、身構えざるをえなかったからである。

中国経済の成長鈍化によって、世界経済全体にも暗雲が広がってきた。日本でも輸出が減り、生産が落ち込んできている。そこへ消費税の引き上げ。景気の先行きは大丈夫なのか。そんな心配が強まっているところに、選挙が終わると日米貿易交渉が表舞台に登場する。いよいよ、という感じだ。

本格的な日米間の交渉は、参院選が終わるまで棚上げされてきた。トランプ大統領が、参院選で「与党の不利にならない」よう配慮してくれたからだ。裏を返せば、これからは「与党の不利になるような」要求を突きつけるぞ、というようにも受け取れる。これまでの下交渉で、アメリカ側は自動車と農畜産物の輸入増加、それに為替条項の導入を強く要求してきた。

このうち農畜産物の輸入増加について、日本側は「TPP(環太平洋経済連携協定)で決めた水準が限度」と回答。アメリカ側は納得していない。選挙も終わったことだから「もっと譲歩せよ」というのが、トランプ氏の言い分だろう。こんどの選挙で自民党は東北地方の1人区で敗北したが、有権者たちが抱いたこの辺への疑念と関係があるのかもしれない。

                              (続きは明日)

       ≪23日の日経平均 = 上げ +204.09円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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