経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

とてつもない 財政支出額 / アメリカ (上)

2021-03-30 08:14:53 | アメリカ
◇ さらに3兆ドルの経済再建政策か = 「バイデン大統領は31日、新しい経済立て直し政策を発表する。その総額は3兆ドル」--アメリカの主要メディアが、一斉にこう報じている。その内容は道路・鉄道などの整備に1兆ドル。ほかに半導体技術の向上やEV(電気自動車)用の充電ステーション普及、公立大学の授業料無償化など。これまでの財政支出はコロナ収束とコロナ不況の克服に向けられていたが、新政策はアメリカ経済の立て直しを目的としたものになる。

トランプ前政権は合計4回にわたり、コロナ対策を講じてきた。その合計額は3兆8600億ドル。続いてバイデン政権も1兆9000億ドルの追加予算を成立させたばかり。それに新しく3兆ドルの財政支出が加われば、これまでの累計は8兆7600億ドルに膨れ上がる。アメリカのGDPの4割に相当。日本円にすると約960兆円で、日本のGDPの2年分に近い。

財政再建派のイエレン財務長官も「いまは財政面からの刺激が必要だ」と述べており、政権内部の足並みは揃っているようだ。しかし議会では共和党が大反対。民主党内部にも「支出が多すぎる」という批判が出ている。ただバイデン大統領は「中国との競争に負けないために」と、必要性を強調するに違いない。

ワクチン接種の効果も出始めて、いまアメリカでは「夏になれば正常な社会が戻ってくる」という予想が広がっている。そこへ史上最大の景気対策が加われば、7月以降の成長率は2ケタのV字回復になるだろう。株式市場にとっては、夢のような展望である。ところがニューヨーク市場は、考え込んでしまった。この超積極型財政政策には、とんでもない副作用も付いてくると考えられるからだ。

                           (続きは明日)

        ≪29日の日経平均 = 上げ +207.82円≫

        ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 



コメントを投稿