経済なんでも研究会

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30年間で 22.5%しか成長していない

2023-02-16 08:20:18 | 景気
◇ 長期の経済計画を作れないのか = 内閣府は14日、昨年10-12月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率換算で0.6%にとどまった。内訳をみると、いずれも年率換算で個人消費が2.0%増、企業の設備投資は2.1%の減少、住宅投資は0.5%減少、輸出は5.7%の増加だった。コロナ規制の解除で経済の正常化が進み、個人消費が上向き。また円安で輸出が伸長した。それでも成長率はゼロに近い低さで推移している。

同時に発表した22年の実質成長率は1.1%だった。21年の2.1%から鈍化している。内訳をみると、個人消費が2.2%の増加、設備投資が1.8%の増加。しかし住宅投資は4.7%の減少、政府の固定資産投資が7.1%の減少。さらに輸出は4.9%増加したものの輸入が7.9%増加したため、外需が成長率のマイナス要因となってしまった。

「すべてはコロナのせいだ」と言う人も多いが、長期的にみても日本は超低空飛行が続いている。たとえば30年前の1992年の実質GDPは444兆9507億円だった。これが22年は545兆3423億円に増大している。だが、この間の増加率は22.5%に過ぎない。単純に割り算をしてみても、年間平均0.75%の成長。実際は複利計算の効果があるから、これより低くなる。

最近、政府は長期経済計画を作成しなくなった。もちろん、高度成長時代のように「10年で所得倍増」などはムリ。しかし「10年間でGDPを1割増やす」程度の計画は作ってほしい。そういう目標がないと、成長分野にカネや人手が回らない。1人当たりGDPで、韓国にも負けてしまう。夢がないから、若い人たちは安心して子どもを産めない。政治家諸氏のご意見を聞きたいものである。

        ≪15日の日経平均 = 下げ -100.91円≫

        ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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