経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2020-05-25 07:57:51 | 株価
◇ ナスダックは高値を更新できるのか = 景気の急降下をよそに、株式市場は相変わらず上を向いている。ダウ平均は先週780ドルの値上がり。4月末の水準に戻った。アメリカ経済の活動再開やワクチン開発などに対しては大きく反応。失業者や倒産の増大、あるいは米中関係の緊迫化にはあまり驚かない。一種のカネ余り相場が続いている。

日経平均も先週は351円の値上がり。このところ2万円ー2万0600円のボックス圏での上下が続いている。こちらも戦後最大の不況には目をつぶり、ニューヨークの市況や経済再開のニュースで上げた。しかし外国人投資家は先週まで14週連続で売り越している。その累計は8兆円にも達した。これを埋めたのは、日銀の買い入れと個人の出遅れ物色買いである。

ニューヨーク市場では、ナスダックの勢いがいい。3月下旬の安値6861から、先週は9325まで上げている。アップルやアマゾンなどコロナ肺炎による影響がないIT銘柄が、上げを主導した。ただ、さすがに高値警戒感も強まっている。2月に付けた史上最高値9817を抜けるかどうか。それによってダウ平均の方向も決まりそうだ。

今週は26日に、4月の企業向けサービス価格、3月の全産業活動指数。29日に、4月の労働力調査、商業動態統計、鉱工業生産、住宅着工戸数、5月の消費動向調査。アメリカでは26日に、5月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数、4月の新築住宅販売。28日に、1-3月期のGDP改定値、4月の中古住宅販売が発表される。

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (11)

2020-05-23 08:27:03 | なし
◇ 人種によって抵抗力に差? = 日本時間22日午前0時の集計。アメリカの死亡者数は9万3439人。断トツに多く、おそらく来週には10万人を突破するだろう。続いてイギリスとイタリアが3万人台。フランスとスペインが2万人台。あとはブラジルが1万8859人へと急増した。ブラジルも来週は2万人を超えるものと思われる。

前週からの増加数をみると、アメリカが9295人。ただ週間の増加数は、やや縮小した。イギリスやフランスなどヨーロッパ主要国の増加数も、すべて縮小している。しかしブラジルだけは5583人の増加で、死亡者数はむしろ拡大した。このほかロシア・インド・インドネシアの死亡者数が、増える傾向にある。

こうした動向を背景に、アメリカやヨーロッパ主要国は一斉に外出制限などの規制緩和に乗り出した。国や地域によって緩和の方法や程度が違うので一概には言えないが、どこの国や自治体も「第2波は必ずやってくる」と覚悟しているように見受けられる。すでにアメリカのフロリダ州などでは、感染者も死亡者も増えてきた。次の注目点は、第2波の波の高さになってくるだろう。

中国の死亡者は1人、韓国は4人、日本は86人だった。欧米諸国に比べると、極端に少ない。この欄では以前、ウイルスが変異して毒性を強めたのではないかと推測した。この推測は、学者の研究によって実証されつつある。ところが、こんどは「人種によって抵抗力に差があるのでは」という研究が始まったという。新型コロナ・ウイルスというのは、実に不可解なヤツである。

       ≪22日の日経平均 = 下げ -164.15円≫

       【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】     

コロナが憎い トランプ大統領

2020-05-22 07:44:04 | トランプ
◇ 大統領選挙まで薄氷の半年間 = トランプ大統領は先週、放送記者のインタビューに答える形で「中国と完全に断交することは可能かどうか、思案している」と発言した。トランプ氏の暴言癖は周知のとおりだが、この発言には驚いた人が多い。なぜ、こんな物騒な発言が飛び出したのか。原因はコロナ・ウイルスと半年後に近づいた大統領選挙にあるようだ。

アメリカでは今週までに全国50州のすべてが、何らかの形でコロナ規制を緩和した。このままでは、経済が崩壊してしまうと心配されたからである。トランプ大統領は早くから各州に対して経済活動の再開を要請していたが、それは景気の回復が遅れれば遅れるほど、11月の大統領選挙では不利に働くと考えられるためだ。しかし現状では、景気が早期に回復する保証はない。

逆にコロナ・ウイルスの感染が、再発する危険性もかなり大きい。もし第2波が予想より大きくなれば、大統領の責任が追及され、これも票の喪失につながりかねない。要するに、どちらに転んでも選挙は苦しくなる。その元凶はコロナ・ウイルスだ。そのウイルスを世界にまき散らしたのは、中国に違いない。その中国寄りのWHO(世界保健機構)も同罪だ。

これがトランプ氏の心情だろう。さらにアメリカ国民の多くが、中国のウイルス情報隠しを批判している。この際は中国に強く当たった方が、有権者の共感を得やすい。こんな計算も働いたに違いない。ウイルスがこのまま終息に向かい、景気はV字型に回復。中国はアメリカの農産物を大量に買う。トランプ氏は頭のなかでこんな道筋を描いているのだろうが、その道は狭く険しそうだ。

       ≪21日の日経平均 = 下げ -42.84円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

景気後退は まだ序の口 ; 1-3月期GDP

2020-05-21 08:01:45 | 景気
◇ 4-6月期は未曽有の大不況に = 内閣府は18日、ことし1-3月期のGDP速報値を発表した。それによると、年率換算した実質成長率はマイナス3.4%だった。前期に続いてのマイナス成長で、欧米流に言えば「景気後退入りが確認」されたことになる。ただマイナスの幅は、消費増税の影響をフルに受けた前期のマイナス7.3%よりは小さかった。

GDPを構成する主要項目をみると、いずれも年率換算で個人消費はマイナス2.8%、企業の設備投資はマイナス2.1%、住宅投資はマイナス16.9%。輸出はマイナス21.8%と、大きく減少した。1-3月の段階では、コロナ対策としての外出自粛や店舗の休業要請などは行われていない。ただ中国では都市封鎖も実施されたから、輸出が激減した。

安倍首相が最初に緊急事態宣言を発令したのは、4月7日だった。人々が外出を自粛し、多くの工場や店舗が休業した。このため消費や生産が急減、経済活動は一気に縮小している。またアメリカをはじめ世界各国がコロナ規制に乗り出したため、日本の輸出環境はいっそう悪化した。こうして4-6月期は、歴史的な景気後退期に入っている。

民間調査機関の予測を平均してみると、4-6月期の実質成長率は年率マイナス21%になるという。単純に計算すると、100兆円以上の価値が失われることになる。もっとも、これは年率計算。しかし4-6月期だけでも、25兆円以上の富が消失してしまう。その後7-9月期には回復に向かうと予想されているが、V字回復は望めないというのが専門家の一致した見方だ。平時への道のりは遠い。

       ≪20日の日経平均 = 上げ +161.70円≫

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

いつの間にか 「第2波は来る」に (下)

2020-05-20 07:45:49 | なし
◇ どんな波形を想定しているのか = もちろん「コロナに対する警戒が緩み過ぎると、感染が再発する。だから気を緩めないで」という意味で“第2波”という言葉が使われたのかもしれない。しかし政府は緊急事態宣言の再発令に関する基準を作成したり、その場合の政策費を第2次補正予算に組み込もうとしている。早手回しの準備ならいいが、どうも“第2波”の襲来を予期しているように思われてならない。

その場合、政府はどんな感染の波形が来ると想定しているのだろうか。第2波の山が第1波より高くなるのは論外だとしても、第1波の半分ならいいのか。3分の1ならいいのか。さらに山はだんだん低くなるにしても、第3波や第4波もありうるのか。実際の想定は難しいだろうが、第2波が来る可能性が大きいのなら、それを公表しておいた方がいい。

国民の多くは、緊急事態宣言が一部解除されたことで「これからは事態が徐々に改善する」と感じている。そんな状態で第2波がやってくれば、ショックは大きい。また第2波の可能性を強調しておいた方が、コロナに対する警戒心も強まるに違いない。医療関係者も、次に備えて計画を立てやすくなるだろう。

アメリカやヨーロッパの主要国は、いま競ってコロナ規制の解除に動いている。経済再生が最優先事項になったためだが、その根底には大きなリスク、つまり第2波の発生は避けられないという考え方がある。国民の多くも理解しているようだ。安倍内閣も「いつの間にか、第2波」でなく、コロナとの「長い戦い」の本当の意味を国民に知ってもらった方がいい。

       ≪19日の日経平均 = 上げ +299.72円≫

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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