魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

ロック野郎のワイン

2015年04月10日 | ワイン ~2019年
「ロック」とはなんだろう?

昔から意味不明の言葉です。岩と言えば岩なんですけどね。

多くの人々のハートを掴んだのは「ロック」なわけです。

「反体制こそカッコイイ」という定義は過去のロックの一部分だったはずです。


ロック音楽は正直好きではありませんでした。
ビートルズだって初めて聴いた時は「汚い音」と思ったものです。

そして60~70年代に台頭したのがロック、フォーク、パンクなどです。
もっと古いブルースだって反体制的要素がありましたね。


最近はそんな骨のある若者が少なくなってしまったような気がします。
恵まれた環境で育ち、ハングリー精神がなくなったせいでしょうか。



何でこんなことを書くのかと言いますと、ちょうど飲んでいるワインがこちら。




2010 Ch.ロック・モーリアック
  (仏、ボルドー・シュペリュール、CF、Meなど、赤、千円台後半)

「Rock」とは綴りも違います。意味も不明ですがロックです。

06、08年と飲んでまいりましたが、今回は2010年です。
カベルネ・フランが50%、メルロ40%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。


香りはチェリー、カシス、スグリなどのベリー、ジャム、ミネラル、クレヨンなど
若々しさが支配的。

味わいは焼けた果実味が強すぎて、どこかまろやかさが足りない。
フルーツをギュッと押しつぶしたようで、フラットで広がりがとても弱く、少し焦がした
ようなイメージです。これは欠陥ボトルかもしれません。
ブショネの風味ではないのですが、もしかしたら問題の可能性がありそうです。

こういったことって意外とあって、私が美味しい、優れたワインだと思ってお客様に
お奨めしたものの、悪いボトルに当たる場合、可能性もあるということです。

これはもう一度飲み直してみるといいのでしょうが、どうしたものか・・・


・・・・・

実は残しておいて、3日目でまろやかになりました。

やっといい状態です。このワインはとにかく時間がかかりそうです。昨年飲んだ2006年が
良かったのは、ほどよく熟成したからなのでしょう。
もしかしてこのワイン、ロックしてたのかもしれませんよ。人間ぽいです。




先日の試飲会で同シャトーの上のプレミアムクラス「ダムナシオン」(3千円程度)というのを
飲みました。



これはまったく違っていてインパクトがあって良かったです。

ひとえにこのワインは時間がかかる傾向なのでしょう。カベルネ・フラン主体なので
特殊なのかも。現時点ではうまく判断できないワインなのかもしれません。
このワインは「ボルドーのロック野郎」なのですから。

コメント
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