ミュージカルどっぷりな息子のために、
様々な芸術を体験させてやりたいと、
夫が、
「相模原薪能」に息子を誘っていました。
相模原では第30回目になる「薪能」。
50万人都市になった記念行事として、昭和62年より毎年開催されてきたとのこと。
ところが、
関東地方は、8月に入ってから、
いまいちの天候で、
この日もしとしと雨。
主催者側も状況を把握して、
もともと野外でのものだったところ、
相模女子大学グリーンホールでの上演に早めに切り替えました。
小雨降る中、1時間前から並び、
席を確保。
有料席、無料席ともに、
グリーンホールはぎっしりお客さんで埋まりました。
わたし、能はほぼ40年ぶり。
高校の時、100周年記念行事で、
人間国宝だった先輩が高校で舞ってくださったのを見たのが最初で最後。
すごいものなんだろうとは感じたけれど、
ウトウトしつつ見ていた自分。
全く罰当たりな高校生でした。
でも、今回の参加で、
いろいろ新しいことを学び、感じることができて、
息子云々よりも、自分のためによかったなあと思いました。
あのゆったりとした間、動き・・・、
また、眠くなっちゃうんじゃないかと心配してましたが、
頭がのんびり、ゆる〜〜くなるような体験。
リラックス効果があるんじゃないかと思いました。
演目は、
仕舞という「ある演目のある一部を切り取った舞」が合計3つ。
そして、
狂言は「蝸牛」、
能は「橋弁慶」。
狂言、能ともに内容的には難しくなく、知っているものだったこと、
さらに、
演目の前に、能楽師の方が、演目についての紹介を楽しく話してくださったので、
言葉全てがわからなくても、
楽しむことができました。
「仕舞(しまい)」というのは、もともとはアンコールの時にする演目で、
それを持って終わりということで「お仕舞い」という言葉になったとかというお話は、
なるほど!納得。
また、
「橋弁慶」については、面白かったのは、
今日の五条の橋の上で「千人斬り」をしてたのは、
一般的には弁慶だと思われていますが、
能の世界では、逆だということ。
牛若丸のほうが、やってたそうなんです。
弁慶はそれを懲らしめるために五条大橋にやってきたというのです。
今のように思われるようになったのは、後のこと。
判官贔屓ですからね〜。
面白いなあと思いました。
今回、面はなし。
お面は大人が子供の役をしたり、この世のものではない役をしたり、女の役をしたり、年寄りの役をしたりする時に
被るんだとか。
今回の牛若丸は12、13歳の男の子が演じていたので、
全く誰も面をつけていませんでした。
時々に笛や小鼓、大鼓が軽妙に鳴り響き、
地謡の歌声が入り、
場面の展開や登場人物の心の動き、高まりなどを表現し、
限られたスペースで、
ほぼ大道具も小道具も使わず、
限りなくシンプルな形式になっている能。
ミュージカルや最近の演劇が、
できるだけ所作を大きく、手を変え品を変えの演出、いわゆる「足し算」であるのに比べて、
できるだけシンプルな演出である能は「引き算」。
この「引き算」の空間が、人に想像という翼をはためかせる自由度を与えているのですね〜。
なるほどなあと思いました。
ホールでの演能だったので、
暮れなずむ戸外で、
薪の炎に照らし出される幽玄な「能楽」の雰囲気に浸ることはできませんでしたが、
その分、しっかり集中して見ることができたのも
またよしだったかなと思いました。
でも、今度は是非、戸外での「薪能」に参加してみたいです。
さて、
夫と息子は9月には東京の能楽堂に能を見に行く予定にしているよう。
好き嫌いなく、日本の誇る伝統芸能の素晴らしさに触れて、
何かを感じる機会になればいいなと思います。
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