春紫苑
姫女苑
(城跡ほっつき歩記)より
姫女苑(ヒメジョオン)さん
あたし一足先にお嫁に行きます
初夏の空き地で春紫苑(ハルジオン)が声をかける
似た者同士だけど ちょっぴりあたしの方が可愛い
あなたは秋まで そこで咲いていればいいわ
あら なんて高ピーな物言いだこと
あとからやってきて わたしたちの領分に入り込んで
図々しいったらありゃしない
少しばかり化粧が上手だからって
本気で嫁にもらおうとする人なんているのかしら
頭上でやりあう春紫苑と姫女苑のやり取りを
花壇のツツジが聞いている
そんなに角突きあって何が面白いの?
軍手をつけた公園管理者の目には
ふたりとも ただの貧乏草なのよ
初夏の空き地で 春紫苑が風に揺れる
強い日差しにもめげず 姫女苑が純白の素ッピンを曝す
いつの頃からか貧乏草と呼ばれ虐げられているが
よくよく間近で観察すると
それぞれの花の精が 花弁の上で舞っているよ
いつもご利用頂きましてありがとうございます。
ハルジオンは春から初夏にかけて。
イッポウヒメジオンは初夏から初秋にかけて。
同時に咲いている環境もあるようですが、おおまかに分けるとこんな具合でしょうか。
それとハルジオンにはピンクがかった種類の物も見受けられますが、ヒメジオンの場合にはただひたすらに純白ひとすじ。
些かうなだれ気味のハルジオン。
構造の違いから、やたらに姿勢の良いヒメジオン。
なお、2010年の春から初夏にかけては、ハルジオンの姿だけで200枚ほどの画像記録がありました(笑)
いずれにしても遠目には、よく似た野草です。
でも、少しばかり観察してみると花径、花色、葉の形、草丈などの点で、それぞれに自己主張があるようですね。
その中の選りすぐりの画像を利用させていただき、本当にありがとうございます。
三鷹市~調布市近辺でも、サイクリング道路沿いのグリーンベルトに、いまハルジオンとヒメジョオンが花を咲かせております。
薄ピンクのものと純白のものが混在し、どうして色が違うのかと不思議に思っておりましたが、貴兄の植物図鑑を見てよくわかりました。
しみじみ見ることで両者の違いがわかり、意外な美しさも知ることができました。
普段軽視しがちなこれらの植物に、敬意を表したいと思います。
でも、読ませてもらっているうちに、二人(?)とも可愛らしい心情が表れており、ヒトのように思えてきました。
普段ならあまり目も留めないような春紫苑だし姫女苑でしょうが、その映像とこの詩文からは、ほのぼのとした温かさや愛らしさが漂ってきました。
スター級とは言い難いこれらの花も詩人の手にかかると、心を動かされるものです。
こんな花たちを小生も近辺で探し出してみたくなりました。
カメラを持っていたとしても、こんなに素敵な映像には出来ないでしょうが……。
桜やツツジもいいけれど、誰も見向きもしないような野の花にレンズを向ける人もいるんですねえ。
春紫苑に姫女苑・・・・アップになるとけっこう美人じゃないですか。
好い画像にめぐり合って心が弾みました。
シダ類に造詣の深いくりたさんの眼にとまって、彼女たちも喜んでいるのではないでしょうか。