どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム243 『移り行く季節と時代フジバカマ』

2019-09-16 00:17:20 | ポエム

 

     フジバカマ

    (城跡ほっつき歩記)より

 

近頃なんだか寂しいような

そんな気持ちのフジバカマ

日に日に気温は下がっていって

袴の裾がほつれ気味

 

どんなものにも変化は起きる

秋の七草フジバカマ

昔ほどには注目されず

古風な花の印象ばかり

 

袴の需要はそれなりに

結婚式や成人式で

思い出つくる小道具に・・・・

ゆかりの花は香を添え

 

近頃なんだか寂しいような

見かけは沈んで見えるけど

うす紫にほほえむ頬や

髪のほつれはあるがまま

 

冷たい風が撫ぜていく

ここは私鉄の無人駅

降車切符の回収箱に

翅を休める秋あかね

 

万葉集の言の葉も

読まれることは稀になり

しおり代わりの藤袴

挟んだままに夜が更ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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園芸種ですみません (塚越和夫)
2019-09-16 14:29:29
こんにちは。

いつも画像のご利用、ご紹介を頂き有難うございます。

ちなみに図鑑類などを参照いたしますと、こちらの画像のフジバカマもいわゆる園芸種に含まれ「サワフジバカマ」ともいわれている交雑種に該当するようです。
また野生のものは基本的にやや黄色味のある白花であり、茎の色も赤みを帯びることは無いようです。
この画像のものは、一説によりますと甲斐武田氏の陣城とも伝わる低丘陵の半ば「家庭菜園」のような環境下で栽培されておりました。
なお「川縁や土手に生育する」ともいわれているのですが、自分の数十年ほどの記憶の限りでも目にしたことがありません。

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静かなる退場 (tadaox)
2019-09-17 01:28:17
今回も画像の使用と懇切な解説ありがとうございます。
フジバカマも野生種が激減しているのですか。
人為的な環境の変化によるものでしょうか。

多くの動植物と同じように、静かなる退場が進行しているとすれば悲しいですね。
それにしても、フジバカマはうす紫色と思い込んでいましたので、かなり以前から園芸種を野生種と勘違いしていたようです。
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