ハナニラ
(城跡ほっつき歩記)より
ミッション系女学校の生徒たちが
晴れがましい笑顔を見せて通り過ぎる
三年間の学び舎に別れを告げ
誰もがふっくらと輝きはじめる
貴女がたはみな女性らしく
良き妻 良き母親となって
社会の模範となってください
いつでも見られていることを忘れずに
校門から東西に伸びる塀沿いに
純白のベルトとなった花にらの群生
夏から秋 そして冬と
ほとんど意識の中から消えていたのに
卒業の季節になると
いっせいに花ひらき
互いの顔を見つめながら
校訓の一節をつぶやくのだ
だが制服の中の胸は
すでに膨らみはじめている
開花をうながすエネルギーは
もう抑えきれない
晴れがましい笑顔は
花にらとの決別
頬を染める血の色は
脈打つ生物の宿命
生徒たちの去った校庭には
記念樹の金木犀とプレートが立てられ
抑えられた嬌声がこもる教室では
三月の暦がハラリと落ちる・・・・
校訓が抑えることのできる女学生時代を膨らむ胸に促されるようにして、女の季節に飛び出していく生臭い生命たちの讃歌。
もうきれいごとの世界はおしまい。人を愛するエゴゆえに味合わなければならない素晴らしい苦しみが待っていようとも、誰もがそこへ汚れに飛び込んでいく恍惚の季節。
窪庭さんのこのところの詩は絶好調ですねェー。
好きだなーこういう詩。
これからの試練は一人ひとりが引き受けるもの、なんだか可哀そうな気もしますが・・・・。
ありがとうございました。
たぶん撮影機材はCanonEOSKissだったかと記憶しております。
レンズは18-200のミニズームでしたが、レンズのストッパーのない初期型でしたので、山中ではいつの間にか、レンズが望遠モードになってしまうということもしばしばでした(笑)
この品種は、南側の暖かな場所で生育しておりました。
毎年たしか絹のような純白な花を咲かせていたと記憶しております。
撮影場所は勤務先の裏庭だったかと。
半ば仕事のような、半ば趣味のような撮影でしたが...
たまにすこし強い雨に打たれますと、その純白の衣装が泥だらけになってしまったこともありました。
そのときは、多少乾いた頃を見計らって、「じょうろ」でそうっと水浴びをさせておりました。
いつもながら、お見事な創作かと。
もしも貴兄の創作活動のきっかけの一助となりましたようでしたら、幸いに存じます。
コメントが遅れ、失礼を申し上げました。
どちらも清楚だけど、生き生きとした生命力を感じさせるような……。
この詩文には、共に生命力と生きる歓びがそっと秘められているようで、そこに共感を覚えますね。
美しいものには美しく、可憐なものには可憐に、奥に忍ばせるように表現する詩文には感嘆します。
その詩作が千変万化なこともお見事です。
春になって「あっ、咲いてる」と気づくとき、本当に親しみを感じる花でもあります。
勤務先の裏庭で撮影されたとか、雨の跳ね返りで泥まみれになった純白の花に、じょうろでそっと水を掛ける様子が目に浮かびました。
いつもながら、画像の拝借ありがとうございました。
白だけでなく薄紫のまじった種類もあり、薔薇など他の花の足下で結構輝いていて応援したくなります。
好い画像と出合って、よけいに詩を書きたくなったこともありますが・・・・。
これからもよろしくお願いいたします。