アジサイ
(城跡ほっつき歩記)より
雨の季節
毎週のように鎌倉に出向き
寺や古道のアジサイを
飽きもせずにカメラに収めていた
栞や案内書を手当たり次第に集め
まっとうな歴史の本とも首っ引き
しかし目玉は色とりどりのアジサイの写真
自分だけのアルバムを自慢げに見せてくれた
これは明月院の青い紫陽花
こっちは長谷寺のガクアジサイ
このピンクの紫陽花は山際の怪しい場所
「一帯が同じ青なのにおかしくないか」
そういえば松本清張のドラマでそんなの観たな
ピンク色に変化したたアジサイの下に
死体が埋まっているんだろう?
「なんだ知ってるのか」 友人は呵々と笑った
茶目っけのある友は今でも懐かしい
自分ひとりのアルバム帖を作って
ぼくらを愉しませてくれた友人は
心の中で永久に生き続ける・・・・
友よ わずかな銭を窃取したのは
気の迷いだったのか
病身の母親を看ながらの古都散策
鎌倉行きの路銀に窮したとすれば悲しすぎる
恒例のアジサイ中継を追いながら
ぼくは朝のひと時をぼんやりする
三十年もたった出来事はもうセピア色
友が撮ったピンクのアジサイもセピア色
青よ ピンクよ センチメンタルとはお別れだ
家々の庭先には 多種多様のアジサイが咲き
雑踏にも種々雑多な人間が集まっている
出来心だって策謀だって みんなみんな数の中
今年の紫陽花の花期は、あっという間に終わってしまいました。
ご近所のガクアジサイが、逆光気味でなかなかいい感じだったのですが、そのうちに......等と思っているうちに花の盛りを過ぎてしまいました。
そのあとに咲く立葵の花期も短く、もう木槿や百日紅などの季節となってしまいました。
この紫陽花の画像ですが、実は少しだけ演出してあります。
本来は乾いたピンクだったのですが、季節感に乏しかったので、軽く霧吹きをかけて撮影をしております<m(__)m>
なお、花期の終わったアジサイは、古い枝を切り取り、翌年の花目の準備が始まる前の、9月下旬ころまでに、3節ほど刈り込みます。
その後は翌年の2月頃に追肥をしておけば、またそこそこの花を咲かせてくれるはずです。
今回も、素晴らしい創作の素材に、ご利用いただき誠にありがとうございました。
ことしは空梅雨のあと一気に夏が来て、花も木も戸惑うほどサイクルが早まった感じがします。
さて、紫陽花の画像についての演出、言われてみてなるほどと思いました。
たしかに水滴の痕があり、瑞々しい印象に繋がっているのがよくわかりました。
またアジサイの手入れのことなど教えていただき、ささやかな庭作りの参考にさせていただきます。
コメントともども感謝申し上げます。