白妙菊
(城跡ほっつき歩記)より
6月だというのに
あなたは寒さに震えているの?
それとも雪女の生まれ変わりですか
持統天皇がこんな歌を詠んでいるというんですね
春すぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山
なるほど白妙の衣をイメージしたんですか
神棲む大和三山の一つ天の香具山に
夏の訪れを感じた歌ですね
これまで雨に霞んでいた大和の山々が
ギラギラの夏を迎える直前の季節感を
白妙菊の風情に喩えたのですね
だけど少々意地悪なことを言っていいですか
あなたの立ち姿からは衣など想像できないんです
むしろ立ち枯れの悲惨さが頭をよぎります
100年に一度などと伝えられる異常気象が
ヤマセとなって東北地方を襲ったことがあります
白妙菊の姿は災害列島の行く末を連想させませんか
ガックリしているようですね
でも本音はごまかせません
季節は夏でも あなたの周りは凍てついて見えますよ
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