風もなく穏やかな午後、柔らかな陽射しを浴びて少し早いが真柏の葉透かし作業をする。
ところで、公団住宅に入居出来ることを、6畳一間の安アパートで夢見ていた頃の話である。銭湯帰りに近くの広場で盆栽が売られていた。そこで姫リンゴと真柏(アップした木とは違う)の小品盆栽を求めたのが我が盆栽歴の始まりである。
あれから60年数年となるか。センスといえ技といえ、いずれもそれを持ち合わせず未だ銘木を生むことが出来ないが、充分愉しませてもらっていることは確かである。真柏で遊ばせて貰いながらそんなことを回想する爺である。
=懐かしいあり日の黒松と、故郷の野山に戻した山毛欅=