私は東京下町の生まれ育ちです。上野や浅草に近い入谷鬼子母神の近くです。「下町」
といってもなかなか広いのですが、神田や銀座あたりまでという感覚です。しかし
隅田川の向こう岸、向島や両国、深川なども下町と呼ばれますが、どうもそのあたりは
同じ「下町」と言われても違う感じがするのです。川の向こう側に行くことはまず
なかったから?相撲は見に行ったし、高校は向島だったのですけれどね。なんか
アウェー感があり、ニューカッスルがサンダーランドを見るような気分だったのかも。
ま、そういうわけで、この年になるまで、行ったことのない木場を歩いてみることに
したのでした。木場にはあちこちにこのような水路があります。歩くには不便かも
しれませんが、とても風流で良い景色です。
この水路に材木を浮かべて商売をしていたわけですね。商人は浮かべた材木の上を
歩いていたと。
水門が見えます。あちらのほうに行ってみましょう。
これだけあちこちに水路が張り巡らされていると、いっそヴェネツィアのように
水上交通を発展させたらいいのにねェ。
水門を開け閉めするところを見てみたいものですが、そう頻繁にするわけでもなさそう。
こんな橋が無数にあるわけですが、それぞれ形が微妙に違うのです。
左に屋形船がありますね。以前にあれに乗った宴会に参加したことがあります。船内で
天ぷらを揚げてくれるんですよ。もちろん酒を飲む^^
赤い橋は小さいので徒歩専用かな。
水路の交差点に立っていたら、警備の船が通過してゆきました。水上パトカー?
遠くにはスカイツリーが見えていますね。
四角いと鉄骨感が強くて、東京タワーを思い出させますね。
さっきのやつと似てるけど、ちょっと違うのです。なんかこんなのを見て回っていると、
タモリの番組を思い出しました。やつはやたらに土壌だとか地層、地形なんかのうんちくを
たれますね。だいたいジジーがそんなマニアックな話をすると、誰にも相手をされない
ものです。しかーし、やつは丁寧に相槌をうってくれる若い女性を連れて歩き、それで
稼いでいるのである。そりゃケッコウすぎる。吉田類は好きな酒を飲んで稼いでいるが、
タモリは相手をしてくれる女連れだもんなあ。俺はひとり歩き、酒を飲んで金を払うとー。
どうしたら「あっち側」に行けるんだろう?
少々歩き疲れたところで都合よく、絶滅種の古き良き喫茶店がありました。銀座で
アゲハ蝶が飛んでいるのを見つけた気分だよ。入り口に張り紙があり、開店時間は
「15時~17時」と書いてありました。よくまあ営業時間に通りかかったもんだ!
入ると、お約束通りにおばーさんがひとり新聞を読んでらっしゃり、客が来たことに
一瞬驚いていました。コーヒーを飲むかと思ったけれど、「みかんジュース」という
のが目に入った。普通なら「オレンジジュース」と表記するでしょう。聞いてみると、
愛媛県に嫁いだ娘さんから送ってきたので、それを出しているとのこと。もちろん
それを注文し、なかなか美味しかったです。
さらに頂き物だという御菓子やら、果物までむいてくれました。なんだか店に入った
というよりも、かーちゃんのところに寄った気分になりましたー。