ロシア旅行をしたあとなので、何でもある東京ですから「ロシア料理」と検索してみたら、
わが青春の神保町にあるので行ってみた。するとなんだよ、「ポーヅ」の隣でしたか。
数え切れないほどに通過した場所なのですが、入ろうなんて思ってもみない店だから、
全然目に入らなかったわけですね。そりゃあ若い頃にはこういう「高そう」なところに
来られるわけもありません。
本が好きな文学青年たちは、例外なくこの古本屋の街、神保町を彷徨います。以前に
「神保町のどこで昼飯を食う?」という話になったとき、「さぶちゃん」の半チャンラーメン、
「いもや」の天丼(高そうに聞こえるかもしれませんが、ずっと500円でした)、そして
「富士そば」(立ち食いです)に分かれました。みんな「電車賃を節約して歩けば文庫本
古本なら1冊だ」という貧乏でした。そういう安い食事の店も、チェーン店以外はみんな
なくなりました。
そして悲しいことに、老舗の古本屋も(新刊の本屋もだ)どんどん閉店、もしくは良書を
扱う店ではなく、サブカルチャーだの変わり果てた商品を扱う多角経営の店に変貌して
しまいました。情報は「熟読」するための印刷された活字ではなく、「流し見る」スマホを
通して得るものと化したのか。
ま、そういったほろ苦いというかせつない思いを感じながら、金銭的に少し余裕がもてる
ようになったおかげでロシア人女性2人がやっている店に入り、グルジアのワインを飲み
ました。「チキン・キエフ風」は「今日はできない」と言われて残念。
飲み足りないので、「東京最古」と言われる淡路町の「みますや」へ。ここは「馬刺し」が
食える。長野や熊本で食べるものを持ってきたという、東京にありがちな贅沢品ではなく、
下町の一部で実はむかしから細々と食べられてきた「馬肉」の流れなのではないかと思われる。
オフィス街のまん真ん中にあるので、ここはいつも満席でごった返している。これだけ混んで
いると、もう「常連」なんてのんびりできる人はあまりいないんじゃないかなあ。
靖国通りを少し戻ってきて、3軒目は「酔の助」。学生時代はすぐ近くの「いもや」で
天丼を食べ、ここの2階にある「ミッキーマウス」というゲームセンターで一服しながら
ゲームをやったものです。昼飯を節約しているわりには、2~300円ゲームをやるんだなあ。
そしておっさんになったら、下の居酒屋で飲むようになったと。ここも大箱で、手前の
カウンターやテーブル席、そして奥の座敷はいつも満員。