帯広百年館を見たあとは、緑ヶ丘公園の南にあるおびひろ動物園へ向かいました。
冬季は11時から14時までの3時間しか開園していません!それでも小さな子供たちが
けっこう来ていましたよ。
おー、シマシマ。二頭でエサを取り合ってフゴフゴ押し合っていました。
同じ柵の中にキリンさんもいました。近いので見下ろされる。
キリンさんは首を出して外に落ちている枝を拾う。
くわえてバリバリと食べていました。近くで見るとすごい肉体。こんな枯れた木の枝、
何カロリーあるの?寂しい食事でよくまあこんな筋肉を維持できるものですねェ。
それに寒いだろうなあ。アフリカからお越しですか?
寒くて結構なのは白クマさん。気候はよくても、狭くて可哀そう。
こちらは柵や檻の外で自由に跳ね回っているリスさん。はるかにしあわせだろう。
むかしから動物園に来るのはあまり好きではなかったのです。というのは動物たちが
出身地からは遠く離れたところに連れてこられ、さらに狭いところに押し込められて、
人間たちにジロジロ見られてさぞかしつらかろう、と悲しくなってしまうからです。
小さい子供たちが嬉しそうに見ていて、動物たちに無邪気に話しかけている様子には
救われますが。
さてそんな動物園に来た訳は、この植村直己記念館を見たかったからなのです。
こじんまりした「氷雪の家」には、ゆかりの品々が展示されていました。
エベレストの頂上!おれは2600mあまりの駒ケ岳にロープウェイで登って、高山病で
頭が痛くなりましたけどねー。8848mときたもんだ。「高度1万メートルの風にのせて
奏でる大空の間奏曲、ジェットストリーム」って、雲の上を飛んでいるジェット機の
高さにいるってことだよねー。
北極圏を三度も犬ぞりで走破。平らじゃないところをよく行けるもんです。
こんな感じだったと。さてなぜ帯広の動物園に記念館があるかというと、この犬たちを
連れて帰ってきたあと、東京の夏があまりにも暑くて可哀そうだということで、北海道に
連れてきてこちらにお世話になったとか。そういう縁だったのですかー。
犬って、北極の吹雪のなかでも雪のくぼみで寝られるそうですから。でもうちの近所で、
先日飼い犬にセーターを着せて散歩している人を見ました。犬には迷惑じゃ・・・?
アフリカでも5000m以上のキリマンジャロは氷の世界。
植村さんは、地球上のあらゆる冒険の地を求めて制覇した人。アラスカの6194mの
マッキンリーに、一度は登頂しました。次は2月という真冬に単独で挑戦。どんどん
ハードルを上げていったのです。マイナス50度くらいになると、ブルーアイスといって
ピッケルも刺さらないカッチンコッチン。専門家が「人間が生存できる環境ではない」と
言っているようなところを、クレバスに落ちないように竹竿をやじろべえみたいに
かかえながら登って行ったそうです。奥さんでも「やめて」って言えなかったのですね。
これがすごいよ。ただの石ですが、これこそ本物の「お宝」でしょう。