冷たい強風が吹き荒れる襟裳岬を歩いて宿に帰ってくると、部屋にはストーブが最大
出力でついており、むわっと温かく裸でいられる程。これが北海道の室内だ。
ロビーにも廊下にも階段にもストーブがついている。トイレにもついている。
ちなみにトイレはぼっちゃん型。それが恐ろしく深い。ひり出したやつが落下してゆく
時間が妙に長く感じられ、下に落ちた衝撃音が轟く。深い井戸にサッカーボールほどの
石を投げ落としたような感じだ。そして海にミサイルが落ちて20mほど垂直に水しぶきが
上がるようなイメージ?「おつり」などという生やさしいものではない。強力な噴水が
シリに直撃するのではないかと心配するほど大きな音だった。
驚いたことに、風呂にもストーブがついていた。更衣室だけではない。風呂ですよ。隅の
タイルの上に置いてある。火事の心配はないだろうけど、違和感あるな~。さらに湯舟が
二つあったが、そのひとつが空で、その中にもストーブがあってついているのだ。
そんなに寒いか?
部屋の窓からは海が絶景。ところで部屋のストーブ、1時間したら自動的に切れたので
ふたたび点火する。風呂上がりのビールを飲んだから横になってうとうとしていたら、
何だか息苦しいような気がしてきた。そこで気がつく。密閉した部屋でストーブを
ずっとつけていると空気が悪くなるのだ。換気せんとー。だから自動的に1時間で
切れるんだなw 夜は消して寝るので、電気毛布でした。
ロビーは空間が広いので、ストーブの前に座っていないとうすら寒い。
旅館のお料理は豪華で量が多い。3人前くらいの気分だ。だから連泊はできんなあ。
「つぶの灯台焼き」だそうです。こうきますとビールだけではなく酒ですな。
「エゾシカのしゃぶしゃぶ」です。近年鹿さんは困るほど増えているそうですな。
ここまでくると、残さず全力で頑張るモード。そう思うのはもったいないくらいだ。
さて、この旅館ではWifiはロビーでしか使えない。仕事のメールチェックにロビーに
行くと、薄暗い部屋のストーブの前に男がふたり。中国人観光客であった。ほぼ無言で
それぞれスマホをいじっている。食事のときはいなかったぞ?そぉ~か、素泊まりなんだな。
しかしこのあたりには店はまったくない。バスの出た広尾のターミナル前にも、これから
行く様似の駅前にも店らしい店はない。何日かぶんの食料を持ち歩いているのか?
しかし外国人旅行客、中でも東アジア人はグループで来ていても、宿で移動中で、ずっと
無言でスマホをいじり続けていることがとても多い。電車やバスでは外の景色見ないのか?
食事中やこういうロビーなどでリラックスしているとき、一緒の人と話をしないのか?
そもそもスマホで何を見ているんだろう???