冬の湖水地方には、ほとんど人がいない。まあ凍りつくような気温のなかで、散歩でもあるまいなぁ。しかしワーズワースの代表作「プレリュード」という詩のなかには、冬の風景が沢山でてくるゾ。そのなかでも凍った湖でスケートを楽しむ場面がある。氷上でクルクルと回っていると、自分が回っているのか、まわりの景色が回っているのかわからなくなるというところを思い出した。しかしいくら寒くても、この湖が全部凍りつくのは想像がつかない。やっぱり地球の気温は上がっているのかしら。
人っ子一人いない湖畔を歩いていると、耳をつんざく爆音が頭の上を通り過ぎた。なんと超音速機が低空飛行で湖水地方を飛んでいったのだ。びっくりして空を見上げても、跡形もなく消え去っている。いったい夢かまぼろしか、あたりは深い静寂に包まれている。
何分経ったかわからぬが、またしばらくすると途方もない爆音が通り過ぎた。上を見上げても一面が灰色の空だけだ。まるで大空の神様にからかわれているような気分になる。この近所に(?)どうやら空軍基地があるようだ。しかしなんという音だろうか。頭上1mに下を向いた巨大なスピーカーを置いて、ヴォリュームを最大にされたようだ。それが一瞬なのだ。まわりに何もないので、まるで悪夢である。
しばらくして、目の前の山の間からその低空飛行の戦闘機が現れた。コンマ何秒だろうか、黒い昆虫のように見えるその機影が目に入ったと思った瞬間に、音もなく頭の上を消え去り、2~3秒経って(この間が妙に気味が悪い)おっそろしい大爆音が脳みそを揺るがせた。
パイロットは自分が進んでゆくのではなく、まわりの景色が後ろにすっ飛んでゆくような錯覚にとらわれることだろう。自分が飛んでいるのか、景色が吹っ飛んでくるのか。。。 ワーズワースも泣いているぞw(゜゜)w
黒いのが湖です。ウィンダミアからバスで北上し、グラスミアからケズウィックまで行きました。
こりゃアイスランドと変らない景色だ・・・。
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