NHK連ドラの「あさが来た」が終わりました。終盤の頃、ちょうど旅行中だったので続けて見る機会がありました。旦那様の新次郎が「理想の夫」像、ということで女性たちの間で大変な人気だったとか。
妻がやりたいことを何でもやらせてくれて応援し、愚痴を言うと「せやな(そうだね)」とやさしく受け入れて聴いてやり、疲れたときやくじけそうなときには、そっと肩に手を当てて励ましてくれる。「理想像」を具現化し過ぎていて、ちょっと現実味がないような。主人公のお姉さんが、どれだけひどい目にあっても忍耐強く、ひたすらやさしく、嫌悪や憎しみの感情をまるっきり持たない非現実的な良妻賢母になっていたのと同じです。
ちょうど放送が終わった週末の新聞で上野千鶴子の人生相談があり、そこでは中年女性の悩みが出ていました。旦那が妻にも子供に対しても、まず否定から入り、上から目線で延々と自分が正しいという説を続けるとか。こっちはリアルですねー。だから「せやな」が人気沸騰するというわけだ。(ちなみに上野さんは「最後はあきらめて離婚も考えろ」と言っていたような)
私の身の回りには、「意見や批評なんぞ求めちゃいないんだよ。とにかくいくらでも愚痴を聞いてくれて、受け入れてもらって肯定の返事だけを聞きたいんだよ」という女の人と、何を言っても「いやそれはね~」となんでもかんでも反対意見から入って、「自分が上で、女のお前が下」という構図にしないと気が済まない男の人がちらほらいます。どちらも思う通りにならないと怒り出します。げんなりしますね。
私はほとんどテレビを見ませんが、現実をリアルにえぐったドラマがあれば見てみたい気もします。でもそれじゃあ視聴率が取れないでしょうから、実現は難しそう。やはり何を言っても「せやな♪」という旦那様がいて、さえない人生に理想の恋人が現われて、突然若返ったりとかしないとウケないんでしょう。