千里山ブラウズ

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蝉の羽化

2008-07-18 20:55:10 | 千里山トラスト

 昨夜8時頃に千里山駅から団地の周りの生け垣の道を月が丘方面に帰っていましたら、前を歩いているおじさんが時々生け垣を覗き込んでいます。
 「蝉ですか?」と僕は思わず問いかけました。先日の記事でも書きましたが、蝉の羽化は深夜にならなければ見られないと思い込んでいました。
 「はい」とおじさんは少し駅の方へ戻って、葉陰のあるところを指差しました。見ると駅ホームの遠明かりに浮かび上がって、今まさに脱皮の真っ最中です。
 「こんな時間に見られるんですね!」と、早速携帯カメラで撮ろうとしたのですが、光量不足で上手く写りません。近くの自転車ショップ「ブーメラン」さんに入っていき懐中電灯をお借りしました。でも羽化をずっと見守るにはとても暑かったので‥‥。

‥‥そして11時頃、余りの蒸し暑さに冷たい飲み物を求めて外に出た時に、蝉の羽化のことを思い出しました。再び駅の方まで行って見ますと脱皮は完了していましたが、柔らかそうな半透明の羽をまとい、蝉はまだその葉陰でじっとしていました。しばらく見ていると若者の人影が通りかかりましたので声を掛けました。
 「蝉ですよ」
 「羽化ですか!」と直ぐに近寄って来きます。
 「写真撮りたいので、携帯で照らして貰えませんか?」
 10分位の間二人はそれぞれの携帯で写真を撮り合いながら、静かに眺めた後どちらからともなく挨拶を交わし別れました。薄暗かったのでこの近くに住んでいるということの他は、若者の顔もはっきりとは憶えていませんでしたが、僕には心の交流が感じられる楽しい時間でした。

‥‥そして今日のお昼前に同じところを通った時に確認をしていましたら、またタイミング良く「飛んで行きましたか?」と声が掛けられ、振り返ると昨夜の若者が微笑んでいます。
 「もういませんね。ところでお名前は?」「Eです。」「E君は学生さん?」「今は大学院生ですが、大学は関西大学でした。」そんな会話を交わしながら駅まで歩きました。