1964年の開業当時から登場し、幾度かのマイナーチェンジを繰り返し、随分長い間国民に親しまれた新幹線でした。ちょうど時期が重なった日本の高度成長のシンボルと言っても良いでしょう。世界一の速度で走る「夢の超特急」は、僕ら当時の子供達にとっても非常に誇らしく、そういう技術のある日本という国の力を海外に示す存在だったと思います。ヘッド部分の放物線の球面が、空気抵抗と一緒に時代を切り裂き力強く進んでいくイメージがありました。
ブルーと白のツートンカラーが日本を表す色として使われたハシリでは無かったかと思います。今では航空機のANAやサッカー日本代表なども同じ配色です。青は海や空の色とともに技術・知能や平和も連想させます。また水の流れのように美しく走り、地上の航空機のように速いというイメージがあったのかも知れません。
それにしても約40余年経過してもスピードは衰えることなく安全に走行できるというのは、日頃のメンテナンスも含めてそれこそ日本の物づくりの象徴とも言える姿ではないでしょうか。蒸気機関車が田舎の風景の中を今も走るのを見てロマンを感じるのと同じように、初期の新幹線が現代の高層ビル群の間を快走するのを見るのはそれも又楽しいものです。今年の11月まででいよいよ運転終了となるようで、機会があればもう一度乗ってみたいと思います。