このところの北半球の大寒波は、昨日はたまたま千里山では風が無かったので、身構えていた僕には意外とそれ程の寒さではなく、今日もついダウンジャケットを着ないで外出してしまいました。でも今日は北風が少し吹いただけですが、通行人も揃って身を縮めるように日向を選んで歩く姿が見られます。それを見ると余計にこちらも寒さが増してきました。
午後からは初雪もちらほら舞い出し本格的に冷え込んできました。思わず帰る途中に駅前の田村書店に緊急避難していると、文庫のコーナーに面白そうなシリーズを見つけました。それはおそらく著作権の切れた近代の日本や世界の文学作品や、古典を原作にして漫画でシリーズ展開していこうという企画「まんがで読破」です。何冊かを手にとってパラパラと覗いてみると、それぞれの作品に相応しい確かな表現力で描かれています。
日本の名作では森鴎外の『舞姫』や夏目漱石の『こころ』『それから』、そして最近話題になっている小林多喜二の『蟹工船』や太宰治の『パンドラの匣』といった小説や、宮本武蔵の『五輪書』や『葉隠』などの思想書もあります。世界ではドストエフスキーの『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』やエンゲルスの『共産党宣言』などがラインナップされていました。
「エロかしこい」のキャッチ・フレーズと明るい笑顔で僕もお気に入りの、グラビア・アイドルの優木まおみさんがイメージ・キャラクターとなっている帯に、今後は月末に2冊ずつ発刊していく計画と書かれています。
僕も『カラマーゾフの兄弟』などは青春時代に読み始めて、余りに大部過ぎて根気が続かなかった小説ですが、漫画で気楽に一度楽しんだ後で再度じっくり翻訳原作に挑戦するのも良いかも知れません。
![]() | 舞姫 (まんがで読破) 森 鴎外 イースト・プレス このアイテムの詳細を見る |
![]() | 蟹工船 (まんがで読破) 小林 多喜二 イーストプレス このアイテムの詳細を見る |
![]() | パンドラの匣・ヴィヨンの妻 (まんがで読破) 太宰 治,バラエティアートワークス イーストプレス このアイテムの詳細を見る |
![]() | 五輪書 (まんがで読破) 宮本 武蔵,バラエティアートワークス イーストプレス このアイテムの詳細を見る |
![]() | カラマーゾフの兄弟―まんがで読破 ドストエフスキー,バラエティアートワークス イーストプレス このアイテムの詳細を見る |
【追記 2010/1/13】「まんがで読破」シリーズは、現在もう既に55冊が刊行されているようです。