先週のテレビ東京の経済ドキュメンタリードラマ「ルビコンの決断」で、携帯音楽プレイヤーWALKMANを開発したソニーの栄光と、デジタル時代を読み違えアップルのiPodにその地位を奪われてからの逆襲を、ドラマ仕立てで興味深く描かれていました。ソニーウォークマン商品企画担当者(野村宏伸)やマーケティング責任者(田中健)といった実際の開発キーマンを俳優が演じ、企画から宣伝そして協力する技術者やデザイナーまで、取材に裏打ちされたシナリオが随所に感じられ面白かったです。
番組の後半ではソニーらしさを高音質に追求したXシリーズや、人気アーティストのYUIをイメージ・キャラクターとして起用したSシリーズ、またユニークなデザインのヘッドフォン一体型Wシリーズなど、若者や中高年といった幅広いユーザーを意識した新商品投入で、昨年夏2週間でしたが4年8カ月ぶりに「携帯音楽プレーヤー」市場でシェアトップを奪い返します。しかし、それは国内においてであり世界市場ではiPodに大きくリードされている状況に変わりありません。
『マックピープル』2月号の連載コラム「音楽配信 一刀両断」に、アップルが音楽ストリーミング・サービスのLala社を買収し次の展開に進むという、メディア・ジャーナリスト津田大介さんの予想が載っています。やはりクラウド・コンピューティング時代を見据えた、音楽の楽しみ方と新たなミュージック・ライフの提案に向かっているようです。
これからは音質や使いやすさなどハード面の技術・工夫・デザインだけで、アップルの戦略に対抗することには限界があります。音楽の新しい配信スタイルを世界に先駆けて果敢に提案していくことこそ、SONYが復権する本質的で唯一残されたチャンス(転換点)であると思います。
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