小学生時代にお盆休みの頃になると、浜風がわたる昼休みに大人達と西瓜を食べたり、茶の間に寝転んで高校野球をよく見ていました。その頃サッカーなどは実業団レベルで盛んではなく、長島・王のプロ野球黄金期で高校野球も絶大な人気がありました。県代表トーナメント戦のスタイルが、オリンピックやワールドカップのような応援熱を煽っていました。
高校野球のスター選手の人気も今では考えられないほどの国民的なものでした。メジャー・リーグが何年かに一度行楽気分で日本にやって来てはその力を見せつけていましたが、実際は海の向こうの遠い別世界のものでリアルな興奮は日本のプロ野球や高校野球が全てでした。マクロ経済も含めグローバルという言葉はその片鱗も無かったかも知れません。
そういう中で記憶に残る名勝負も数多く、最近テレビ中継の開始前に想い出ビデオが放送されています。和歌山箕島高校×石川星陵高校の延長戦(1979年8月16日)は、それぞれが点を取られたら取り返すの連続で再試合かと想われましたが、一塁手のファールフライのエラー(人工芝に足を取られ)がその直後のホームランを呼び、結局は箕島高校が勝利を掴みました。加藤一塁手のその後の人生に落としたエラーの影や、相手箕島高校の尾藤監督からの思いやり、そして現在では記念OB戦で温かい交流を続けていることなども、実際にその戦いの模様を見ていたので共感もより感じられます。
昨日の仙台育英高校×島根開星高校の試合も、センターのタイムリー・エラー(強風の甲子園)とレフト・ファインプレーの差が試合を決めました。開星高校のセンターの高校生の今は辛い気持ちも、きっと時間が素晴らしい経験に変えてくれることを願います。
※ 写真はWEBニュースから拝借しています。育英高校レフトの超ファインプレーの写真を探したのですが、なぜか開星高校の落球エラーのシーンしか見つかりませんでした‥‥。落球のシーンは捕ればゲームセットの場面でしたのでカメラを構えていたのでしょうけれども、超ファインプレーの時はカメラマンもまさか捕球できるとは予想できなかったのでしょうか(これはカメラマンのエラー?)。