最近までMac情報誌『マックピープル』で音楽配信についての情報「音楽配信一刀両断」を連載していた、コンテンツ・ビジネスや著作権そしてネットサービスなどに詳しい津田大介さんの『未来型サバイバル音楽論』(共著)を読みました。マックピープル連載最終(2011年5月号)の記事の中でこの本に未来の音楽配信の形を予測したので、それをこれからの連載に替えたいという文章があったのでずっと気になっていました。
副題に「USTREAM、twitterは何を変えたのか」とありますので、USTREAMを利用して浜崎あゆみがライブ・コンサートを映像発信したり、ネットを利用した音楽制作をリアルタイムで公開したりと、次々に新たな試みが可能になってきている中で、従来の硬直的な著作権にとらわれない配信システムについての内容かと想って読み始めました。僕もこれからじっくりと書き溜めている歌や新たに出会う曲をネットでも発表・配信していく積もりですし、津田大介さん自身も学生時代からベーシストとしてバンドで作曲活動をされている(Wikipedia)ようで(トレードイメージの金髪はそういう名残りなのでしょうか)、その頃からずっとクリエイターとしてネット時代の未来と可能性を見詰めてきた知見を参考にしたいとも想っています。
共著者の牧村憲一さんはフォークソング時代(中津川フォーク・ジャンボリーの実行委員)から常にメジャー・レーベルの周辺にいて、新しいコンセプトの音楽レーベルを次々に起ち上げてこられた経験とノウハウを、この本の読者であろう若いミュージシャン達に提供しようとされています。日本のポピュラー・ミュージック・シーンの生き字引的な存在であり、その語られる言葉には歴史的な証言・価値が感じられます。またこれからの時代のミュージシャンの生き方として「1アーティスト・1レーベル」を提唱されているのにも注目です。
未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ) | |
津田 大介,牧村 憲一 | |
中央公論新社 |
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