大型台風12号がもたらした大雨による被害の全貌がようやく見えてきました。河川の増水や土砂崩れなどで道路が寸断されていた地域も、自衛隊や警察そして消防の手により迂回ルートなどを通り救助が本格的に入りました。
先月30日から断続的に豪雨が降り続いた関西、特に和歌山・奈良を中心とした紀伊半島では、死者・行方不明者も想像を超えた大変な人数(合わせて100人超)になりました。土砂崩れで川が塞き止められ、いきなりその流れを変えて襲ってきた洪水に、一瞬にして住民とともに流されてしまった傷ましい家屋の映像がテレビでも映し出されていました。想いもかけない形で自然の猛威は人を襲うということは、3月11日午後の東日本大震災・津波の映像で嫌というほどに見せられてきましたが、今回の台風災害も本質としては同じ想いで見守る他はありません。多くの行方不明の方々も土砂や倒壊した家屋に閉じ込められたり、或いは濁川に流されたりと大変厳しい状況に置かれているものと想います。一刻も早く救助の手が入り一人でも多くの尊い人命が救われることを祈るばかりです。
雨量は和歌山県上北山村の1,800mmを最高に各地で記録的な数値となり、年間総降雨量の2/3や半分を超えていると報じられています。もともと紀伊半島は雨の多い地域として有名ですので、そのようなところで半年分以上の雨がまとまって降り続いたという凄さを感じます。この異常な降雨量に対して現地の行政からは避難勧告や命令などが出されなかったことも遺憾なことでした。またも想定外という言葉が聞こえてきましたが‥‥。
雨が森林を育てることで地域の生活の豊かさを支えてくれる一方で、今回のような大きな自然災害にも遭遇してしまうのは日本や地域の置かれた宿命とはいえ、その犠牲と教訓が今後に活かされるように防ぐ手立ての調査・構築が求められます。