NHK関西ローカル・ニュースの中で菜花(なばな)の収穫が映されていました。菜花と言えば僕などは直ぐに辛しで合えたお浸しが想い浮かびます。この時期にはその菜花のお浸しとイカナゴの釘煮のセットが春の到来感を増してくれるのです。
しかし、今年はまだこの菜花のお浸しを僕は味わえていません。というのも何時も利用している大丸ピーコックでは、ほうれん草のものと違って菜花のお浸しは2倍近くの高値が付けられており、僕は買おうとした時にまだ躊躇してしまうのです。ニュースに採り上げられているようにこれから最盛期となれば、その総菜の低価格化も期待できるかなと想われます。
一方、イカナゴの釘煮の方は本場明石の出身という知人の女性から、自宅でこしらえた場合に有り難くお裾分けで頂けたりするので、こちらも初物の味わいを期待しつつ密かに待っている状態です。僕の他力本願な春はいつやって来るのでしょうか?
春分の日に梅田の茶屋町付近を歩いていたら、新しくできたビル通りの両側に菜の花のプランターが並べられ、黄色と緑の帯が爽やかな春の雰囲気を演出していました。確か近くにある神社が石段に菜の花を飾る謂れがあるのを以前読んだ記憶があります。また「菜の花や 月は東に 日は西に」と江戸時代の俳人・与謝蕪村が句を詠んだことでも知られる茶屋町です。そういった縁起があるのは街づくり(景観演出だけではなく)にとっては楽しく活かせる財産だと想います。ネットで検索すると「菜の花の散歩道2012」というプロジェクトやイベントが行われているようです。
※ ずいぶん昔に『菜の花』という掌編小説を書きました。徳島新聞に掲載して頂きましたが、この季節にはそんなことも一緒に想い出します。
※ 昨年、与謝蕪村の句も意識しつつ『Moon Rise』という歌を作りました。