ワシントンのポトマック川辺の桜並木が今を盛りに咲き誇っているのをニュース映像で見ました。日本からアメリカに日米友好の象徴として、ちょうど100年前の1912年3月27日に3020本の桜の木が寄贈されました。
その後寄贈された多くの桜の木が寿命を迎え、一時200本にまで危機的状況となっていたのですが、歴史が忘れられてしまうのを惜しんだ植物学者のローランド・ジェファーソン(88)さんが挿し木技術で苗木を作り、年々植え替えていったことで現在の満開の川辺の素晴らしい景色になりました。最近ではお花見シーズンには、およそ100万人以上に観光客が訪れるという観光スポットとなり、また現在は学校などに桜を植樹することが広がっているそうです。
ちなみに僕の住む千里山では同じように公団の老朽化による建て替え計画で、周辺の桜並木や阪急千里山駅のホームを彩る桜が伐採されてしまいました。その跡には管理がしやすい別の樹種が街路樹として植えられる予定で、伝統の街の風景が受け継がれずに残念に想っている住民も多いですが、街の景観は並大抵のことでは守れません。
「ここで見られる花見という日本の伝統への称賛は、世界各国政府が『ソフトパワー』によって影響力を強めようと、多額の予算をかけて自国文化の輸出に躍起になる現代においては、まさに夢が現実となった姿だといえる」(AFPBBニュース)と言われるように、今後も日本の文化外交の一環として世界に広めていけるものではないでしょうか。
今年は100周年ということで例年よりも長い期間にわたり特別記念のイベントなども予定されています。