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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『イレーヌ・アモワールの肖像』

2021-12-22 07:15:42 | 美術ノート

   『イレーヌ・アモワールの肖像』

 イレーヌの顔(肖像)が中央の鏡にある。美しくも厳しく、何か底の底をのぞき込むような鋭い眼差しである。
 三つの鏡、炎(情熱)・馬の鈴(お喋り・論争)と中央の肖像、これらは手鏡であるが不思議に立っている。それゆえ倒壊の恐れと裏腹であり、危険・消滅は時を待たない。
 これら三つの鏡に隠された水平線(真実)は切れ切れにしか見えない。

 描かれた人物は実在のモデルらしい。不思議に怪しくまた辛辣に描かれても、納得するような懐の深さをも持ちえた人物だったのかもしれない。
 恐怖をすら感じる彼女への尊敬と敵意を隠蔽した、何かを対等に分かち合う関係を描いたのだと思う。

 写真は『マグリット』展・図録より


賢治『くらかけの雪』

2021-12-22 06:27:10 | 宮沢賢治

   『くらかけの雪』

 たよりになるのは
 くらかけつづきの雪ばかり
 野はらもはやしも
 ぽしやぽしやしたり黝んだりして
 すこしもあてにならないので
 ほんたうにそんな酵母ふうの
 朧なふぶきですけれども
 ほのかなのぞみを送るのは
 くらかけ山の雪ばかり
   (一つの古風な信仰です)

 雪はセツと読んで、説。
 雪はセツと読んで、設。
 野はヤと読んで、也。
 黝はヨウと読んで、要。
 酵母はコウ・ボと読んで、講、模。
 朧はロウと読んで、Law(律)。
 送るはソウと読んで、総。
 山はSunと読んで、Sun(太陽。
 雪はセツと読んで、説。
 一つの古風な信仰はイツ・コ・フ・シン・コウと読んで、逸、己、普、新、講。

☆説(話)を設(こしらえる)也。
 要の講(話)を模(手探りすること)が、law(律)である。
 総て太陽の説(はなし)であり、己(わたくし)は普く新しい講(話)をする。

『くらかけの雪』は、表明である。


『飯島晴子』(私的解釈)葉ぼたんを。

2021-12-21 09:25:07 | 飯島晴子

   葉ぼたんをそびらに思い当りしこと

 葉ぼたん(葉牡丹)はヨウ・ボ・タンと読んで、擁、母、嘆。
 そびら(背)はハイと読んで、廃。
 思い当りしこと(思当事)じゃシ・トウ・ジと読んで、支、闘、持。
☆擁(抱きかかえる)母を嘆く。
 廃(体が駄目になる)のを支え、闘って持(もちこたえている)。

 葉ぼたん(葉牡丹)はヨウ・ボウ・タンと読んで、要、望、担。
 そびら(背)はハイと読んで、肺。
 思い当りしこと(思当事)はシ・トウ・ジと読んで、思、逃、自。
☆要望(あることをしてほしいと頼むこと)を担(引き受ける)肺(心の中)の思い、逃げたい自(わたくし)である。

 葉ぼたん(葉牡丹)はヨウ・ボウ・タンと読んで、要、膨、耽。
 そびら(背)はハイと読んで、輩。
 思い当りしこと(思当事)はシ・トウ、ジと読んで、姿、倒、事。
☆要(まちぶせ)が膨(大きくふくらむ)耽(夢中になる)輩(列をなして並ぶ)姿、倒れる事も。

 葉ぼたん(葉牡丹)はヨウ・ボ・タンと読んで、要、簿、譚。
 そびら(背)はハイと読んで、俳。
 思い当りしこと(思当事)はシ・トウ・ジと読んで、死、闘、字。
☆要(かなめ)の簿(ノート)に譚(話)がある。
 死闘(死にもの狂いで戦う)字がある。


M『哲学者のランプ』

2021-12-21 09:13:21 | 美術ノート

   『哲学者のランプ』

 漆黒の闇が背景である。
 哲学者の凝視する眼差し、しかしさらに巨きな鼻は突き出しパイプへと連結しており、パイプは口へと循環している。
 逆に言うと、口から出た言葉は外部に漏れず、自分の中に帰結するという具合であり、煩悶は繰り返し、自身の中に留まっている。

 燭台がある。蠟燭は燃えているが弱い光しか放たず、ろうそくは蛇の如く長くうねり、その根源は不明である。

 連綿と続く思索、答え(出口)のない煩悶、公表はない。
 しかし、この『哲学者のランプ』が、わたくし(マグリット)自身である。毅然と闇の中をまい進するものである。

 写真は『マグリット』展・図録より


賢治『屈折率』

2021-12-21 09:00:52 | 宮沢賢治

 七つ森のこつちのひとつが
 水の中よりも明るく
 そしてたいへん巨きいのに
 わたくしはでおぼこ凍つたみちをふみ
 このでこぼこの雪をふみ
 向ふの縮れた亜鉛の雲へ
 陰気な郵便脚夫のやうに
   (アラツデイン 洋燈とり)
 急がなければならないのか


☆死地の真(まこと)。
 推しはかる宙の冥(死後の世界)を虚しく問う。
 講(話)には考えが宿るが、吾(わたくし)は掩(隠して)運(巡らせている)。
 隠した記は幽(死後の世界)の弁(言葉)であり、客(旅人)は普く燿(光)である。
 等(平等)を究める。

『屈折率』とは冥(死後の世界)と現世の空間との空気の密度の相違《率》である。


『飯島晴子』(私的解釈)とつぜんに。

2021-12-21 07:53:27 | 飯島晴子

   とつぜんに齢とる芹に照らされて

 とつぜん(突然)はトツ・ゼンと読んで、突、全。
 齢とる芹(齢取芹)はレイ・シュ・キンと読んで、霊、須、訓。
 照らされてはショウと読んで、奨。

☆突(だしぬけではありますが)、全霊(全ての精神/魂)を須(必要といたします)。
 訓(字句を解釈すること)を奨(勧めるものでございます)。


『飯島晴子』(私的解釈)とつぜんに。

2021-12-20 07:01:24 | 飯島晴子

   とつぜんに齢とる芹に照らされて

 とつぜん(突然)はトツ・ゼンと読んで、訥、繕。
 齢とる(齢取)はレイ・シュと読んで、励、主。
 芹に照らされてはキン・ショウと読んで、襟、照。
☆訥(口下手)を繕(なおす)。
 励(はげむ)主(あるじ)の襟(心の中)は照(明るい)。

 とつぜん(突然)はトツ・ゼンと読んで、凸、前。
 齢とる(齢取)はレイ・シュと読んで、麗、朱。
 芹に照らされてはキン・ショウと読んで、金、使用。
☆凸(なかだか)の前(正面)は麗(美しい)。
 朱に金が使用されている。

 とつぜん(突然)はトツ・ゼンと読んで、突、全。
 齢とる(齢取)はレイ・シュと読んで、零、酒。
 芹に照らされてはキン・ショウと読んで、禁、至要。
☆突(急)に全(すっかり)零(落ちぶれてしまった)。
 酒を禁(止めること)が至要(肝要)である。

 


M『ジョルジェット』

2021-12-20 06:34:35 | 美術ノート

   『ジョルジェット』

 この絵はジョルジェット(妻)の肖像であり、マグリット自身の心象風景である。
 海、水平線・・・ずうっと向こうばかり見つめている日常。しかし、内側には妻(ジョルジェット)がいる。ありのままの真実を教えてくれる唯一無二の存在であるジョルジェット。

 室内の壁には、卵、緑葉、鳥の羽、鍵、手紙、ろうそくの燭台(灯り)・・・これらは重力によらず心の中で自由に浮遊している。時間に左右されず、空間の律にも順当でない《自由》、これらは秘密の世界の最大にして最小のツールである。

 灯りに浮かび上がるジョルジェットの真実、彼女もまたわたし(マグリット)と同じ水平線を見つめている。真っ直ぐな眼差しを持つジョルジェットはわたし(マグリット)の真ん中に位置している。

 手紙には彼女への感謝と愛が綴られているに違いない。

 写真は『マグリット』展・図録より


賢治『序』了。

2021-12-20 06:19:57 | 宮沢賢治

 すべてこれらの命題は
 心象や時間それ自身の性質として
 第四次延長のなかで主張されます。

      大正十三年一月廿日

☆冥(死者の世界)の内(内側)の真(まこと)の象(すがた)を、字で換(入れ替える)。
 二つを審(正しいかどうかを明らかにすること)が、章の質(内容)である。
 代わりの詞(言葉)を字の縁(つながり)で調える趣(考え)に挑んでいる。
 対の章は自由に算(見当をつける)念(考え)で逸(隠れたもの)と合わせると、二重に化(教え導くこと)になる。

※字(漢字)というツールを駆使して世界を広げ、もう一つの時空間に転移させるという手法であり、しかも二つの時空(解釈)は行き来自由である。


『飯島晴子』(私的解釈)冬麗の。

2021-12-19 08:28:21 | 飯島晴子

   冬麗の高僧伝の波模様

 冬麗はトウ・レイと読んで、登、嶺。
 高僧伝はコウ・ソウ・デンと読んで、亘、総、田。
 波模様はハ・モ・ヨウと読んで、波、模、燿。
☆登ると嶺(山の頂)から亘(つらなる)総ての田が波のような模(ありさま)で燿(輝く)。

 冬麗はトウ・レイと読んで、濤、澪。
 高僧伝はコウ・ソウ・テンと読んで、荒、漕、転。
 波模様はハ・モ・ヨウと読んで、破、模、踊。
☆濤(大波)が澪(川や海で船が通る道筋)を荒らすので転(ひっくり返ったり)破(物が壊れる)模(ありさま)に踊(飛び上がってしまう)。

 冬麗はトウ・レイと読んで、盗、黎。
 高僧伝はコウ・ソウ・テンと読んで、稿、捜、典。
 波模様はハ・モ・ヨウと読んで、把、模、様。
☆盗むため黎(多くの)稿を捜す典(書物)。
 把(手につかみ)模(似せて作る)様(ありさま)がある。

 冬麗はトウ・レイと読んで、当、霊。
 高僧伝はコウ・ソウ・デンと読んで、光、送、電。
 波模様はハ・ボ・ヨウと読んで、把、簿、要。
☆当(この)霊光(神秘的な光/ひらめき)を送る電(稲妻)を把(手に掴むため)簿(ノート)を用(必要とする)。