京都市右京区嵯峨天龍芒ノ馬場町に世界遺産で臨済宗天龍寺派大本山寺院「霊亀山天龍寺」(天龍資聖禅寺)はある。明治の活動大写真の時代から京都の映画人に愛され、映画のロケ地に数多く使われた所である。創建は康永4年(1345)、本尊は「釈迦如来」である。足利将軍家と桓武天皇ゆかりの禅寺として壮大な規模と高い格式を誇り、京都五山の第一位とされてきた。後醍醐天皇の皇后が開設した檀林寺の跡地に天皇の菩提を弔うため足利尊氏が創建した寺院である。現在の伽藍は明治期のものだが、中門から延びる参道には塔頭寺院の土塀が連なり、禅宗大寺としての威厳を感じさせる。境内東端に「勅使門」、「中門」、正面に「法堂」、その奥に「大方丈」、「小方丈」、「庫裏」、「多宝殿」、「僧堂」などの建造物(伽藍)が建ち並ぶ。また方丈裏の庭園は嵐山、亀山を背景とした「池泉回遊式庭園」で、貴族文化の伝統と禅好みの手法が溶け合い、四季折々の美しさを見せる。当寺は神仏霊場巡拝の道 第88番札所である。(1205)


















