勇敢なつばめは、軒下をくぐって、店のおくまではいりました。はたして、魚たちはせとびきの容器にはいって、息苦しそうに、あふあふとあえいでいました。そして、つばめを見ても、ものがいえぬようすでした。つばめは、気の毒に思ったけれど、どうしていいかわからぬので、いくたびも、出たり、入ったりするばかりでした。
「ああ、ほかから与えられた幸福は、はかないものである。やはり、私は、自分の力だけを頼りとしよう。」と、つばめは、これを見て深く感じたのでありました。
――小川未明「つばめと魚」
……確かにそうなのであるが、肩書きとかを自分の力と錯覚している輩が、弱いものいじめを繰り返しているのが最近の傾向であることだ。そうすると、今度は肩書きを標的にやたらめったら攻撃し始める哀れな人々が現れるのである。