水の女 2022-08-31 23:20:52 | 文学 まだ夢をむすばぬうちに。火もへし車に。女弐人とり乗て。飛くるを見るに。正しく傳助が女房也。是を押て。焼かねあつるは。我なれし。ひさが姿の替る事なし。今ぞおもひを晴申しけるぞと。いふ声をばかりして消ぬ。三月十一日の事なるに。日も時も違はず。若狭にて一声さけびて。むなしくなりけるとや。 海から井戸へ、すると空からやってくる。これは水の女である。