タカ派、ハト派、やんちゃ、――それぞれ暴力的解決派、平和的解決派、自意識過剰な犯罪者、とはっきり呼ぶべきである。最後のやつはともかく、政治的な存在はしかし、イメージが反転することもある。うちの知り合いは、大野伴睦を褒めていた。翼賛選挙に落ちたかららしいのだ。選挙に落ちることによって、鷹が鳩になることもあるのであった。
猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ
彼のおもしろくない名言は、「ただの人」に含蓄がないことによる。ほんとは、「ただの臣民」とか「ファシストにならずにすむ」とか言わなくてはならなかった。